『退職金』の労働実務相談Q&A

2025.06.27 【労働基準法】

退職金も7日以内に支払う? 労働者が賃金請求 先延ばしはできるか

キーワード:
  • 賃金関係
  • 退職金
Q

 会社の借上げ社宅から従業員が突然いなくなってしまいました。部屋には書置きが残されていて、働いた分の賃金を支払ってほしいと書いてありました。退職者の請求があれば早期の賃金支払いに応じる必要があることは理解していますが、一方で退職金については、このような場合、退職の経緯なども勘案して、減額して支給時期を先延ばししても問題はないでしょうか。【神奈川・E社】

A

規定の支払期日までで可

 労働者が退職や死亡した場合において、権利者から請求があれば、7日以内に賃金を支払い、その他労働者の権利に属する金品を返還する必要があります(労基法23条)。退職した労働者に対しては、使用者に賃金等を迅速に返還させないと、労働者の足止め策に利用されることなどから、賃金支払い等の清算のために必要な規定と解されています(労基法コンメンタール)。

 返還の請求の仕方について労基法はとくに規定していませんが、…

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2021.10.13 【厚生年金保険法】

退職金で生計維持要件は 遺族年金の手続き

キーワード:
  • 定年
  • 退職金
  • 遺族厚生年金
Q

 当社管理職(女性)のご主人がお亡くなりになり、遺族年金の手続きをします。前年の年収からいえば、生計維持要件をギリギリで満たすと思われます。ただし、心配なのが、今年、定年に到達し、退職金を受け取る予定となっている点です。後から調査等により、問題になったりしないでしょうか。【東京・K社】

A

収入に「一時所得」含まず 定年後下回るなら加入可

 厚生年金の被保険者等が死亡した場合、遺族に遺族厚生年金が支給されます(厚年法58条)。

 ご主人が、保険料納付要件等を満たしているとして話を進めます。遺族厚生年金の対象となる遺族の第1順位として、配偶者と子が挙げられています。配偶者には年齢要件がありませんが、子については、…

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2021.07.09 【労働基準法】

「ない」と通知書に明記? 退職金制度存在せず 相対的必要記載事項だが

キーワード:
  • 労働契約関係
  • 退職金
Q

 当社はベンチャー企業から発展した経緯で、正社員にも退職金制度を設けていません。会社への貢献度は、短期で賃金・賞与に反映させるのがモットーです。ところが、先日、中途採用した従業員からクレームがありました。退職金制度がない点について、「労働条件通知書に明示されていない」というのです。必須の記載事項でないと理解していますが、当社の対応に問題があるのでしょうか。【兵庫・I社】

A

書面による確認がベター

 貴社の中途採用者が何度も転職をしている場合、労働条件通知書も何種類か目にしているはずです。

 厚労省のモデル労働条件通知書を使っていたとすれば、そのなかに「退職金の有無、時期、金額等」を記載する欄が設けられています。一方、貴社の労働条件通知書が自社様式で、退職金に関する欄がなければ、中途採用者が「不審に思う」可能性もあります。

 しかし、…

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2021.05.13 【賃金支払確保法】

退職金の原資あるか心配 法律で保証を義務付け?

キーワード:
  • 退職金
Q

 私の勤務する会社は中小企業で、従業員の年齢構成に偏りがあります。現在のところ、50歳代後半の従業員が多数いて、これから順次、退職金を受け取ります。私が退職するころには、退職金を支払う原資が不足するのではないかと心配しています。法律上、事業主に資金上の保証などが義務付けられているのでしょうか。【栃木・U社】

A

保全措置は「努力義務」 見積額の25%が目安に

 退職金も、「労使間であらかじめ支給条件が明確に定められ、その支払いが使用者の義務とされている」ときは、労基法上の賃金となります(労基法コンメンタール)。

 ですから、賃金の支払に関する労基法24条の規制を受けます。

 通貨払に関しては、…

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2021.04.23 【労働基準法】

退職金減額規定有効か 競業避止義務に違反 賠償予定禁止抵触と反論

キーワード:
  • 競業避止義務
  • 賃金関係
  • 退職金
Q

 当社の退職金規程では、競業避止義務違反について「退職金を減額・没収することがある」と規定しています。今回、初めて規定に抵触する事例が発生し、3分の1の減額を決定しました。それに対して、本人は「賠償予定の禁止に違反する」と強硬に撤回を求めています。減額規定は珍しい例ではないと思いますが、本人に対して明確に反論できない状況にあります。当社の対応に何か問題があるのでしょうか。【岐阜・I社】

A

判例等では解除条件該当

 懲戒解雇の場合、退職金の不支給等のペナルティーが課されるのは社会人の常識です。競業避止義務違反等についても、同様に減額規定を定める企業が少なくありません。

 しかし、労基法を盾に取り、不当な対応だと主張する従業員もいます。想定されるのは「賃金の全額払違反(24条)」と「賠償予定の禁止(16条)」です。…

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