『健康福祉確保措置』の労働実務相談Q&A

2023.07.26 【労働基準法】

部署を限定できるのか? 36協定の健康福祉措置で

キーワード:
  • 36協定
  • 健康福祉確保措置
  • 労働時間関係
Q

 当社は、特別条項付きの時間外・休日労働(36)協定を締結しており、更新時期が近付いてきました。健康福祉確保措置について、一部の部署から深夜労働の回数制限を新たに盛り込んで欲しいとの声があったといいます。しかし、メンテナンス関係の部署は、24時間体制で稼働しています。代わりにメンテナンス部門は別の措置を講じたいと思うのですが、特定の措置を一部部署だけに適用ということはできるのでしょうか。【新潟・R社】

A

労使協議により決めれば 実施状況は保存期間3年

 36協定を締結すると、法定労働時間を超えた時間外・休日労働をさせることができます。設定できる上限は、労基法36条4項で定める「限度時間」までで、原則、月45時間、年360時間です。

 特別条項を付けると、年6回まで、限度時間を超え労働させることができます(同条5項)。その際も、時間外・休日労働の合計について単月100時間未満、2~6カ月平均80時間以内とするほか、時間外に関して年720時間以内とすることが求められます。また、回数と時間数のほかに協定すべき事項として、発動する具体的事由、健康福祉確保措置、割増賃金率、発動時の手続きを挙げています(労基則17条)。…

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2021.07.26 【労働基準法】

どちらのみなし時間制? 専門型と事業場外 テレワークで両方対象に

キーワード:
  • テレワーク
  • 事業場外みなし労働時間制
  • 健康福祉確保措置
  • 労働時間関係
  • 裁量労働制
Q

 テレワークの対象者が増え、常態化していく中で、管理体制の再編・一元化を検討しています。経営層は、現在の雇用管理の在り方に関係なく、常態的なテレワーク従事者には「一律に」事業場外労働みなしを適用するという対応を考えているようです。対象者の中には、一部、専門業務型裁量労働制の従事者も含まれますが、事業場外労働みなしという扱いで良いのでしょうか。【東京・C社】

A

健康福祉確保考慮し前者

 事業場外で働き、労働時間を算定し難いときは、事業場外労働みなし制の対象となります(労基法38条の2)。業務の性質上、その遂行の方法を労働者の裁量にゆだねる必要があるとき、所定の手続きを採り、専門業務型裁量労働制を適用できます(38条の3)。

 ご質問は、テレワークが双方の条件を満たす場合、どちらの仕組みを優先して用いるかという問題です。…

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2020.03.13 【労働基準法】

健康福祉確保措置必要か 36協定の特別条項 上限規制には程遠いが

キーワード:
  • 36協定
  • 健康福祉確保措置
  • 労働時間関係
  • 時間外労働
  • 面接指導
Q

 当社では、次回に締結する時間外・休日労働(36)協定から、改正労基法の適用を受けます。従来から特別条項を設けていましたが、月60時間・450時間という設定で、改正法の上限(100時間未満等)からみて問題になるレベルではありません。こうした場合でも、健康福祉確保措置の実施が必須となるのでしょうか。零細企業には、負担が重いと感じます。【石川・W社】

A

時間にかかわらず設定を

 時間外労働の上限規制強化に合わせ、36協定の締結事項も法律の本則に明記されました(労基法36条2項)。そのうち、「厚生労働省令で定める事項(同項5号)」については、特別条項の有無により、協定事項が異なります。特別条項を付す場合、発動の条件や健康福祉確保措置等も定める必要があります(労基則17条4号から7号まで)。

 特別条項で定める時間数により、対応に差があるわけではありません。改正法の上限100時間、複数月(2~6カ月)の平均80時間未満という基準には、…

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2019.06.25 【労働基準法】

使用者に必要な対応とは 勤務間インターバル導入

キーワード:
  • 36協定
  • 健康福祉確保措置
  • 労働時間関係
  • 勤務間インターバル
Q

 次回の時間外・休日労働(36協定)の締結から、改正法の時間外上限規制の対象となります。従来と同様に特別条項を付す予定なので、健康福祉確保措置を講じる必要があります。当社では、過半数労組と協定を結んでいますが、労組の委員長は「勤務間インターバル制度を導入したい」という意向を示しています。仮にインターバル制度を選択したとして、会社はどのような対応を取る義務を負うのでしょうか。【岡山・S社】

A

柔軟な始業時刻の設定等 休息を一定時間以上確保

 36協定で定める事項は改正後の労基則17条に列記されていますが、特別条項を付すときは「健康福祉確保措置」として何を講じるかも協定する必要があります。

 健康福祉確保措置の具体例は、「36協定指針(平30・9・7厚労省告示323号)」に列記されていて、いずれかの選択が望ましいとされています(指針8条)。…

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2018.12.14 【労働時間等設定改善法】

勤務間インターバル導入か 始業までの休息確保 「努力義務」というが

キーワード:
  • 健康福祉確保措置
  • 勤務間インターバル
Q

 働き方改革関連法に関する議論が提起された当時、「勤務間インターバル」に対する関心が高まりました。労組担当者と懇談した際も、この仕組みに期待を寄せる発言がありました。最終的には努力義務という位置付けになったと理解していますが、制度導入の要望があった場合、どのように応じるのが適切でしょうか。【長野・K社】

A

特別条項付きなら検討も

 勤務間インターバルは、「終業から次の始業までの休息時間を確保」する仕組みです。働き方改革を契機として、導入企業も増えています。

 今回の法整備では、同制度に関する規定が複数の法令等にまたがる形で登場します。直接的には、労働時間等設定改善法で「健康および福祉を確保するために必要な終業から始業までの時間の設定」等の措置を講じる努力義務が課されています(1条の2第2項、2条1項)。

 併せて、労働時間等設定改善指針も改正されました(平30・10・30)。改正指針では、「終業および始業の時刻に関する措置」として、以下を列挙しています。…

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