労働保険徴収法

2025.08.12 【労働保険徴収法】

本社で保険も請求か 継続事業の一括した後

キーワード:
  • 労災保険法
Q

 当社には支社が複数ありますが、継続事業の一括の申請をし、来年からは本社で労働保険の手続きをする予定です。認可後に仮に業務上災害があった場合、労災保険の請求は本社の所轄労働基準監督署へするという理解で良いですか。【京都・N社】

A

引き続き所轄労基署へ行う

 労働保険の保険関係は、原則、個々の適用事業単位に成立するため、同じ企業でも、たとえば本社と支社で別々の保険関係が成立することになります。

 継続事業の場合は、厚生労働大臣の認可を受けることで、保険関係を1つの事業にまとめ、保険料の支払いをすべて本社で行うなど事務処理を簡素化できます(徴収法9条)。要件は、①事業主が同一人であり、かつ②各事業場の保険関係区分(労災保険と雇用保険が一元適用か、二元適用でどちらが成立しているか)が同一で、③労災保険料率表における事業の種類が同じことです。

 継続事業の一括をすると、…

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2025.07.11 【労働保険徴収法】

メリット制適用規模は? 年度更新で保険率知る

キーワード:
  • メリット制
Q

 当社は金属加工業ですが、期間雇用する者を中心に、従業員数が増加しています。労災保険では、メリット制の適用により保険料が下がることもあると聞きます。今年度の料率も変動があったような気がします。具体的にどのような条件を満たす必要があるのでしょうか。【石川・O社】

A

100人未満は業種影響 原則40%の範囲で増減

 メリット制とは、労働災害の多寡に応じ、労災保険率または労災保険料を増減させる仕組みを指します。防災に努めれば、支払保険料の節減につながりますが、重大事故を起こすと、逆に負担が大きくなります。

 零細企業の場合、死亡事故等の重大災害を1件発生させると、メリット収支率(保険料の支払額と保険給付額の比率に一定率を乗じたもの)が一挙に悪化するため、メリット制の適用は、一定規模以上の事業場に限られています。

 継続事業の場合、保険関係成立後3年度を経過し、その各保険年度において、次の要件のいずれかを満たすことが必要です。…

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2025.01.13 【労働保険徴収法】

消滅した休暇買上げは? 「労働保険」上の賃金

キーワード:
  • 年次有給休暇
  • 賃金
Q

 当社では法定の年次有給休暇に日数を上乗せしています。消化できなかった上乗せ部分に金銭を支払うと、雇用保険や労災保険の保険料計算において、賃金に当たるのでしょうか。【長野・T社】

A

規定で義務付けあれば 積立制度を採用例も

 法定の年次有給休暇とは別に休暇を付与するときには、法定部分と付与する時期や取得時の賃金等の取扱いが異なることがあるため、それぞれ別々に規定すべきです。一体の規定では、法定部分とそれ以外の「色分け」ができません。

 法定の年休についても、結果的に未消化となった部分に手当を支給することは違法ではないと解されています(菅野和夫・山川隆一「労働法」)。なお、時効により消滅した部分を積み立てて、私傷病やリフレッシュ休暇など別の形で与えている会社もあります。令和6年3月のJILPT「治療と仕事の両立に関する実態調査(企業調査)」によれば、…

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2024.12.26 【労働保険徴収法】

保険給付額へ含まない? メリット収支率の計算で

キーワード:
  • メリット制
Q

 労災保険のメリット制適用における収支率算定では、特定の疾病にかかった者に対して支払われた保険給付の額に含まれないものもあると聞いています。教えて下さい。【山口・B社】

A

労基則に掲げる特定疾病 1年未満等一定条件あり

保険関係成立から3年以上等の要件ある

 メリット制は、労災の多寡に応じて労災保険料率・額を増減させる制度です。継続事業の場合は、個別事業ごとに労災保険の収支率を計算したうえで、労災保険料率を上下させます(徴収法12条3項)。

 適用が受けられる事業規模等が定められています。継続事業のメリット制は、次の①、②のいずれにも該当する事業に適用されます。…

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2024.08.12 【労働保険徴収法】

労災かくしの影響は!? メリット収支率を計算

キーワード:
  • メリット制
  • 労災隠し
Q

 「労災かくし」が判明してその後労災保険給付が支給されれば、メリット収支率にも影響が及ぶはずです。このような場合、保険率はどのように見直されるのでしょうか。【鹿児島・I社】

A

本来支給日に遡及する

 労災保険率は事業の種類ごとに定められています。災害率等に応じて定められているところ、個々の事業の災害率には差があります。そこで、事業主の負担の公平を図るとともに、事業主の災害防止努力を促進する意味で、保険率等を増減させるのがメリット制です。判例(最一小判令6・7・4)も、…

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