『通勤災害』の労働実務相談Q&A

NEW2025.04.29 【交通事故処理】

弁護士費用特約の対象か 事故対応をすべて依頼

キーワード:
  • 損害賠償
  • 通勤災害
Q

 通勤中に交通事故に遭い、労災手続きも含め、交通事故に関する対応すべてを弁護士に依頼しました。先行して労災保険給付を受領し、後で保険会社から損害賠償金の支払いを受けました。労災保険給付分を含めた経済的利益に基づく弁護士報酬の支払いを弁護士費用特約の保険会社にお願いしたところ、労災保険給付分は、支払対象となる弁護士報酬の対象外であるといわれ、私が受領した損害賠償金の中から弁護士報酬を支払うことになりました。労災保険給付分は私が被った損害に充当されるため、労災手続きについての弁護士報酬は弁護士費用特約の支払対象になるのではないでしょうか。【千葉・T生】

A

労災手続きは含まれない 示談や訴訟費用が対象で

 各保険会社の約款等には弁護士費用特約の支払対象となる弁護士報酬は、弁護士が行った、一定の交通事故に関する損害賠償請求の示談または調停もしくは訴訟手続きによって取得することができた金額を経済的利益とし、それに基づいて算定するという定めがある場合が多いです。このような定めがある場合、労災保険に関する手続きをすべて弁護士に委任した結果、特別支給金を除く労災保険給付分が被害者の損害に充当されたとしても、…

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2025.04.11 【労災保険法】

私病欠勤あり給付低額に? 通勤災害で転倒負傷 給付基礎日額をどう計算

キーワード:
  • 通勤災害
Q

 従業員が、終業後の帰宅途上、駅の階段で転倒負傷したとのことで、翌日以降の年休請求がありました。この従業員は持病があり、最近、出勤と欠勤を繰り返してきました。仮に4日目以降も出社できず、「通勤災害の請求をしたい」と申し出があったとします。単純に計算すると、欠勤控除により、平均賃金が著しく低くなります。給付基礎日額は、どのように計算されるのでしょうか。【京都・Y社】

A

分母分子から除外する

 通勤災害に該当する場合、「負傷・疾病による療養のため労務不能となった第4日目から」、労災保険の休業給付が支給されます(労災法22条の2)。

 業務上の災害と異なり、3日間の待期期間に対し、労基法に基づく休業補償の支払い義務はありません。貴社として、平均賃金の算定その他の手続きは不要です。

 休業が第4日目以降に及ぶ場合、休業給付を請求することになります。休業給付は「1日につき給付基礎日額の60%に相当する額」で、…

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2025.03.03 【労災保険法】

「教習所経由」は通勤? 逸脱中断に該当するか

キーワード:
  • 通勤災害
Q

 当社の従業員が、これから自動車免許を取得しようか検討しています。終業後に自動車教習所へ行って、そこから帰宅する途中にケガをしたら通勤災害になるのでしょうか。【埼玉・H社】

A

学校の範囲からは除外

 就業の場所と住居との間の移動を、合理的な経路および方法で行った際に負傷等した場合、通勤災害と認められます(労災法7条)。通勤途中に経路を逸脱・中断すると、その後の移動は通勤とは認められません。ただし、逸脱・中断が、日常生活上必要な行為でやむを得ない事由により行うための最小限度である場合、…

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2025.01.27 【労災保険法】

コンビニで転び通災? 通勤経路上にある店舗

キーワード:
  • 通勤災害
Q

 出勤途中に最寄り駅の近くにあるコンビニに立ち寄り転倒したら、通勤災害に当たるのでしょうか。通勤中のささいな行為なら逸脱・中断に当たらないということですが……。【広島・T生】

A

買い物目的で逸脱中断の例

 通勤災害として保険給付の対象となるのは、住居と就業場所との間の往復行為が、合理的な経路および方法で行われるなど、労災法7条の通勤の要件を満たす場合です。

 買い物目的でのコンビニへの立ち寄りを、通勤との関連性は希薄で、態様や目的等を考慮しても、…

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2024.12.16 【労災保険法】

待期期間どう計算 副業先へ移動中にケガ

キーワード:
  • 通勤災害
Q

 当社で副業をしている従業員が、本業の会社から出勤してくる途中にケガをしました。このような場合には、労災保険給付の対象になると思われますが、待期期間はどのように考えれば良いのでしょうか。【神奈川・A社】

A

通勤災害で休業1日に

 副業先の労務の提供に不可欠な移動中に発生した通勤災害という扱いになります(副業・兼業ガイドライン)。事業場の間を移動する際に起こった災害は、「終点の事業場」の保険関係で処理します(平18・3・31基発0331042号)。

 休業の初日から3日目までは休業給付の支給はありません(労災法22条の2第2項で法14条を準用)。4日目以降は、副業と本業の給付基礎日額に相当する額を合算して、…

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