『賃金』の労働実務相談Q&A

2025.06.02 【健康保険法】

4月支給で算定対象か 残業代を翌月払いする

キーワード:
  • 標準報酬月額
  • 残業代
  • 賃金
Q

 4月から無期転換して被保険者資格を取得した従業員の定時決定ですが、4月に支払われる賃金に3月の残業代が含まれている場合には、どのように扱えば良いのでしょうか。契約社員だったときの残業代が、4月に支払われている形です。【栃木・R社】

A

資格取得後の報酬みる

 4月に被保険者資格を取得した人は、算定の対象です(健保法41条)。

 7月に提出する算定基礎届には、4~6月の各月に支払われた報酬を記入します。労働者が、労働の対償として受けるすべてのものが報酬に該当するため(健保法3条)、残業代も含まれます。3カ月のうち、…

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2025.01.13 【労働保険徴収法】

消滅した休暇買上げは? 「労働保険」上の賃金

キーワード:
  • 年次有給休暇
  • 賃金
Q

 当社では法定の年次有給休暇に日数を上乗せしています。消化できなかった上乗せ部分に金銭を支払うと、雇用保険や労災保険の保険料計算において、賃金に当たるのでしょうか。【長野・T社】

A

規定で義務付けあれば 積立制度を採用例も

 法定の年次有給休暇とは別に休暇を付与するときには、法定部分と付与する時期や取得時の賃金等の取扱いが異なることがあるため、それぞれ別々に規定すべきです。一体の規定では、法定部分とそれ以外の「色分け」ができません。

 法定の年休についても、結果的に未消化となった部分に手当を支給することは違法ではないと解されています(菅野和夫・山川隆一「労働法」)。なお、時効により消滅した部分を積み立てて、私傷病やリフレッシュ休暇など別の形で与えている会社もあります。令和6年3月のJILPT「治療と仕事の両立に関する実態調査(企業調査)」によれば、…

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2024.10.11 【最低賃金法】

賃金支払日に最賃判断? 10月またぐ計算期間 月給制で時間単価算出

キーワード:
  • 割増賃金
  • 賃金
Q

 当社の正社員の賃金は、20日締めの当月末日払いです。10月に支払う賃金は、前月9月21日から翌10月20日までの賃金ということになります。10月に最低賃金が引き上げられましたが、その計算に関して、支払日ベースでみて、10月に支払う分は新しい最低賃金を反映したものとする必要があるのでしょうか。【京都・O社】

A

発効日から見直しが必要

 京都府の最低賃金は、令和6年10月1日から、時間額1058円へと引き上げられました(50円の引上げ)。

 月給制の例で最低賃金を上回っているかどうかを考えてみます。月給を時給に換算する方法は、月給を年間における月平均所定労働時間で除して割り出します(最賃則2条1項3号)。割増賃金の時間単価をイメージすれば分かりやすいでしょう。ものの本でも、1時間当たりの金額の計算方法は、労基法37条の割増賃金における換算方法(労基則19条)と同じ考え方であると述べたものがあります。

 計算の分子となる月給額からは、割増賃金等を除いて計算します(最賃法4条3項)。最賃則1条で、…

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2024.09.23 【パート・有期雇用労働法】

「時給変更」で対応は 昇給を労働条件明示

キーワード:
  • 時給
  • 賃金
Q

 パート等の賃金ですが、最低賃金に合わせて引き上げなければならないケースがありそうです。雇用契約書の昇給の欄に、時給を変更することがあるとしていました。これで対応すれば問題ないでしょうか。【北海道・M社】

A

増額が明確なもののみ

 パート・有期雇用労働者に対し明示が必要な労働条件に、「昇給の有無」があります(パート・有期雇用労働法施行規則2条1項1号)。昇給の明示は、雇入れおよび更新のタイミングで求められます。文書の交付等により…

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2023.10.30 【健康保険法】

最賃引上げで月変か 「発効日」が基準に?

キーワード:
  • 標準報酬月額
  • 賃金
Q

 最低賃金の引上げに合わせて賃金がアップする従業員がいます。固定的賃金の変動は随時改定の契機になりますが、どこから3カ月をみれば良いのでしょうか。当社の賃金計算期間は、20日締めの翌月10日払いです。【岐阜・A社】

A

1カ月確保した月起算

 岐阜県の令和5年度の地域別最低賃金の発効年月日は、令和5年10月1日です。都道府県によってはこれと異なる日付もあります。

 随時改定を行うのは、…

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