『年次有給休暇』の労働実務相談Q&A

2025.07.18 【労働基準法】

協定締結前の年休が対象? 計画的付与を予定 前年度分はすべて消化

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  • 休憩・休日関係
  • 年次有給休暇
Q

 年次有給休暇の計画的付与を検討中ですが、すでに年休を使い切ってしまった従業員がいます。本人は、休業手当などが支給されるのかどうかを気にしています。ただ、計画的付与の予定日までに、年休の付与基準日があります。労使協定の締結後に付与される年休は、計画的付与の対象にはできないのでしょうか。【山梨・T社】

A

付与日前に基準日あれば

 計画的付与の労使協定で定める事項としては、一斉付与や班別付与の場合には付与日、個人別付与の場合には計画表の作成時期、手続き等が考えられます(労基法コンメンタール)。年休の付与日をあらかじめ定めることが適当でない従業員もいることなどから、計画付与の対象から除外することも含めて、労使間で十分に考慮が必要です。

 法定の年休の日数が不足する従業員の扱いについて、…

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2025.06.26 【労働基準法】

予告期間中でも年休か? 未消化あればどうする

キーワード:
  • 年次有給休暇
  • 解雇
  • 解雇予告
Q

 ある労働者へ解雇の打診をした際、応じた際の年休の扱いを知りたいと聞かれました。解雇予告期間中でも取得可能でしょうか。未消化分の買上げなど調整は必要ですか。【広島・M社】

A

労働義務残り付与必要 事前の買上げとは異なる

 労基法上、解雇をする場合、少なくとも30日前までに予告をしなければならないとしています(法20条)。一方で、30日前までに解雇予告をしない場合は、30日分以上の平均賃金を支払う必要があります。解雇予告と併用する方法も認められており、平均賃金を支払った日数分、解雇予告の日数を短縮することもができます。

 次に、年次有給休暇は、賃金の減収を伴うことなく労働義務の免除を受けるものです。休日その他労働義務の課せられていない日は取得する余地がないとされています(労基法コンメンタール)。また、…

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2025.05.23 【労働基準法】

年休取得日に一部勤務は? 2暦日またがり勤務 追加で賃金払うつもり

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  • 休憩・休日関係
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Q

 緊急事態の発生で担当者を呼び出したところ、作業は翌日午前1時ごろまで及んだとの報告がありました。担当者は翌日、年次有給休暇消化の予定となっていました。私は「1時間だけでも就労させれば、年休取得にならない」と上司に進言したのですが、上司は「時間分の賃金を支払って年休消化させたい」といいます。どのように対応するのがベターなのでしょうか。【茨城・S社】

A

残業累計し代休処理も

 年休は1労働日を単位として付与しますが、労働日は「原則として暦日計算による」とされています(労基法コンメンタール)。

 そこで、質問者のおっしゃるとおり、午前0時を過ぎて労働させると、年休を適法に取得させたことになりません。年休を取り消し、休業手当を補填する等の対応を…

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2025.03.14 【労働基準法】

土曜半日の年休どう扱うか 時間単位も導入予定 1日消化で問題ないか

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  • 休憩・休日関係
  • 年次有給休暇
Q

 顧問先の病院で、従業員から時間単位年休の導入を要望されています。病院側は、時間単位年休を導入する前に、まず半日年休を導入して取得状況などを確認したいといいます。現在、土曜午前も診療していて、休む際は年休を1日消化したものとして処理しています。半日年休は、どう扱うべきでしょうか。【奈良・M社】

A

0.5日消化も検討余地

 年休は「労働日単位」で付与するのが原則です。使用者は半日単位の年休を付与する義務はありませんが(昭24・7・7基収1428号)、与えることは禁じられていません。

 時間単位年休が法定化された際にも、「本来の取得の阻害とならない範囲で適切に運用される限り、(半日付与は)問題ない」という考え方が再確認されました。

 今回、まず半日年休を導入するということで、対応方法には大別して2とおりが想定されます。

 第1は、…

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2025.02.12 【労働基準法】

年休は取得できるのか? 何らか給付ある場合等も

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  • 休憩・休日関係
  • 年次有給休暇
Q

 労務関係の部署に配属され、年次有給休暇について改めて確認中です。業務上の負傷や妊娠など、労働者が働けなくなり何らかの給付が受けられる際、年休は取得できるのでしょうか。制約などはありますか。【滋賀・S社】

A

労働義務が存在すれば可 待期期間のカウント対象

 労基法39条の年次有給休暇は、賃金の減収を伴うことなく労働義務の免除を受けるものです。休日など労働義務の課されていない日については、取得する余地がないとされています。同条が「10労働日」という文言を使用しているのも、このような立法趣旨からであると解されるとしています(労基法コンメンタール)。

 例えば、私傷病などで休職を発令され、会社に籍があるが労働義務がない場合、年休を取得できないとしています(昭24・12・28基発1456号など)。一方、休職を発令されておらず、本来は労働義務があるが欠勤等となっているときは、…

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