不採用の理由を教えるべき? 女性応募者から要求 性差別ないが対応義務か

2012.02.06
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Q

 先日、中途採用応募者の面接を実施しました。最終的に男性の採用を決定しましたが、女性応募者の1人が結果に納得しません。会社に対し、不採用となった理由の詳しい説明を求めています。当社としては、「性別を理由とする差別」は一切なかったと考えますが、要求に応じるべきでしょうか。【熊本・S社】

A

調停申請前に話し合いを

 女性は「性差別」があったと認識されているようですから、均等法に基づき、事業主として対応の義務があるか否か検討します。

 均等法は、「『労働者』が性別により差別されることなく、充実した職業生活を営むことができるようにする」ことを基本理念とします(第2条)。ここでいう「労働者」とは、「雇用されて働く者をいい、求職者を含む」と解されています(平18・10・11雇児発第1011002号)。

 求職者も労働者の範囲内に包摂されることを前提として、「募集および採用」に関する規制が効力を持ちます(均等法第5条)。性別を理由とする差別の類型は、均等法第10条第1項に基づく指針(平18・厚生労働省告示第614号)に示されています。

 たとえば、「男女で異なる採用試験を実施する」「基準を満たす者の中から男女いずれかを優先して採用する」等が例示されています。仮に、貴社の対応が指針の規定に抵触すれば、均等法第5条違反の問題が生じます。第5条に罰則は付されていませんが、「私法上も強行規定と解され、これに違反する法律行為は無効」となります(荒木尚志「労働法」)。

 均等法に基づく紛争が生じた際、①労使の自主的解決、②都道府県労働局長の助言等、③調停という解決手段が用意されています。

 このうち、労使の自主的解決(第15条)に関しては、求職者による申出(第5条に関する苦情)は対象に含まれません。しかし、求職者は調停等を求めることはできます(第17条、第18条)。

 お尋ねの女性は会社と直接の話合いを希望していますが、会社側が拒めば調停等を申請することも想定されます。関係当事者として紛争調整委員会に出頭を求められる可能性もあるので、調停等に発展する前に、事情を聴く場を設けのも穏当な対処法といえるでしょう。

※内容は掲載当時のものです。法改正等により内容に変更が生じている場合がございます。

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平成24年2月6日第2859号16面 掲載

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