『労働時間関係』の労働実務相談Q&A

2025.06.03 【労働基準法】

週50時間より短く? フレックスの割増賃金

キーワード:
  • フレックスタイム制
  • 割増賃金
  • 労働時間関係
Q

 労働組合として、清算期間3カ月のフレックスタイム制導入に向けて交渉を進めています。現在、所定労働時間の7時間半を超えた部分から割増賃金が支払われています。これを維持したく、1カ月ごとに行う割増賃金の支払いについても、法定の週平均50時間超より短い時間での支払いを求めたいのですが、そもそもこのような仕組みを設けること自体が可能なのでしょうか。【福島・W組合】

A

法を上回る措置として実施可能

 労基法上、フレックスタイム制で割増賃金の支払いが必要になる法定時間外労働は、①清算期間における法定労働時間の総枠を超えた部分です。週法定労働時間に清算期間の暦日数を乗じ7で除して求めます。

 さらに、②清算期間が1カ月を超えるときは、1カ月ごとに区分した各期間について、…

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2025.05.12 【労働基準法】

時間外労働は何時間まで トラック運転から転換で

キーワード:
  • 36協定
  • 労働時間関係
  • 時間外労働
Q

 運送業を営んでいます。トラック運転者が病気にかかり、無事退院しましたが内勤へ変わります。時間外労働の上限に関してトラック運転者は異なる扱いがされていますが、異動があった場合はどのような考え方をするのでしょうか。【茨城・G社】

A

原則どおりの上限になる 転換前720時間ならできず

 法定時間外労働は、時間外・休日労働(36)協定で定めた延長時間の範囲内でさせることができます。原則、限度時間である月45時間、年360時間が上限です。特別条項を付けることで、年6月まで、この時間を超えた延長時間を設定できます。この場合でも、時間外・休日労働の合計で月100時間未満、時間外労働で年720時間以下とする必要があります(労基法36条5項)。さらに、労働者個人の実労働時間について、時間外・休日労働を合わせて単月100時間未満、2~6カ月平均80時間以内とする必要があります(6項2、3号)。

 一部事業・業務では、これらの規定が猶予されています。自動車運転の業務(法附則140条)については、特別条項付き36協定を締結・届出する場合、年間の時間外労働の上限が960時間となります。さらに、…

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2025.04.25 【労働基準法】

有害業務の残業2時間まで? 退職者いて対応困難 シフトを組み対応予定

キーワード:
  • 労働時間関係
  • 時間外労働
Q

 当社部署の中に、冷凍食品を貯蔵・搬出する業務があります。こうした業務の場合、1日の時間外上限が2時間に制限されています。しかし、当該部署で退職者が相次ぎ、仕事のやり繰りが厳しくなっています。交替制を採ることも検討していて、上司から、「他部署の人員と組み合わせ、シフトを組んで対応する」という案を示されましたが、問題ないでしょうか。【茨城・T社】

A

1日10時間まで可能に

 通常の業務繁忙を理由とする時間外労働は、時間外・休日労働(36)協定を結んで対応します。しかし、「坑内労働その他健康上特に有害な業務」については、時間外について特別な規制(1日の上限2時間)が課されています。「その他」の業務は労基則18条で列挙されていて、2号に「多量の低温物体を取り扱う業務および著しく寒冷な場所における業務」が挙げられています。

 法36条6項では、このほか…

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2025.04.10 【労働基準法】

特別条項なくてもよい? 3カ月フレックスを導入

キーワード:
  • フレックスタイム制
  • 労働時間関係
Q

 36協定の更新時期が近付いています。実際の時間外労働が長くても40時間で、特別条項は設けていませんでした。このたび清算期間3カ月のフレックスタイム制の導入が決まったのですが、36協定は従来どおりの延長時間としても影響はないでしょうか。【岐阜・U社】

A

最終の期間は注意が必要 全体における時間外労働

 時間外・休日労働をさせるには、過半数労働組合(ない場合は過半数代表者)と時間外・休日労働(36)協定を締結しなければなりません。法定労働時間を超えて働かせる時間として定める延長時間は限度時間の範囲内とします(法36条3項)。限度時間は、4項で月45時間、年360時間となっています。

 特別条項を設けることにより、この時間を超えた延長時間を定めることができます(5項)。この場合でも、時間外労働は年720時間以内とするほか、時間外・休日労働の合計について月100時間未満とすることが求められます。また、2~6カ月平均で月80時間以内で働かせることも必要です。なお、特別条項を発動し月45時間を超えることができるのは、…

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2025.03.25 【労働基準法】

8時間超える所定は 労働契約設定できるか

キーワード:
  • 労働時間関係
Q

 飲食店を経営していて、人の確保に苦慮しています。労働契約の更新に際し、アルバイトの従業員から「12時間程度入る日を設けても良い」と申出がありました。8時間超に割増賃金は払うとして、残業を命じるのではなく当初から確定した所定労働時間として設定することはできますか。【和歌山・G社】

A

無効となって法定どおりに

 通常の労働時間制を採用する場合、法32条で定める1日8時間、週40時間の法定労働時間を超える所定労働時間を設定することはできません。労基法13条で、労働契約のうち、同法で定める基準に達しない部分を無効とする強行的効力と、無効となった部分について同法上の…

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