『休憩・休日関係』の労働実務相談Q&A

2025.08.08 【労働基準法】

夏季休暇取消は休日労働に? 年休を計画的付与 同意得たうえ出社お願い

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  • 休憩・休日関係
  • 年次有給休暇
Q

 当社では、夏季に計画年休により2日の休暇を与えています。今夏は仕事が忙しく、一部の従業員に出社をお願いし、同意を得たいと考えています。しかし、当該従業員から、「休日出勤分の賃金が上乗せされるのでしょうか」と聞かれました。休暇の取消しで、追加の賃金支払いが必要になるのでしょうか。【神奈川・O社】

A

協定でも除外ルール規定

 計画年休の予定日は、どういう性格の日なのでしょうか。年次有給休暇は、「労働義務がない日については請求する余地がない」とされています(昭24・12・28基収489号)。つまり、年休の計画付与日として指定する日は、もともと「所定労働日とされていた日」です。

 計画年休を取り消した場合、その日は「通常の労働日(出社義務のある日)」として取り扱われます。休日出勤ではないので、追加の賃金支払いは必要ありません。

 賃金に関する説明は以上のとおりですが、…

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2025.07.18 【労働基準法】

協定締結前の年休が対象? 計画的付与を予定 前年度分はすべて消化

キーワード:
  • 休憩・休日関係
  • 年次有給休暇
Q

 年次有給休暇の計画的付与を検討中ですが、すでに年休を使い切ってしまった従業員がいます。本人は、休業手当などが支給されるのかどうかを気にしています。ただ、計画的付与の予定日までに、年休の付与基準日があります。労使協定の締結後に付与される年休は、計画的付与の対象にはできないのでしょうか。【山梨・T社】

A

付与日前に基準日あれば

 計画的付与の労使協定で定める事項としては、一斉付与や班別付与の場合には付与日、個人別付与の場合には計画表の作成時期、手続き等が考えられます(労基法コンメンタール)。年休の付与日をあらかじめ定めることが適当でない従業員もいることなどから、計画付与の対象から除外することも含めて、労使間で十分に考慮が必要です。

 法定の年休の日数が不足する従業員の扱いについて、…

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2025.05.23 【労働基準法】

年休取得日に一部勤務は? 2暦日またがり勤務 追加で賃金払うつもり

キーワード:
  • 休憩・休日関係
  • 年次有給休暇
Q

 緊急事態の発生で担当者を呼び出したところ、作業は翌日午前1時ごろまで及んだとの報告がありました。担当者は翌日、年次有給休暇消化の予定となっていました。私は「1時間だけでも就労させれば、年休取得にならない」と上司に進言したのですが、上司は「時間分の賃金を支払って年休消化させたい」といいます。どのように対応するのがベターなのでしょうか。【茨城・S社】

A

残業累計し代休処理も

 年休は1労働日を単位として付与しますが、労働日は「原則として暦日計算による」とされています(労基法コンメンタール)。

 そこで、質問者のおっしゃるとおり、午前0時を過ぎて労働させると、年休を適法に取得させたことになりません。年休を取り消し、休業手当を補填する等の対応を…

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2025.05.06 【労働基準法】

どのスパンに4日? 変形休日制用いる場合

キーワード:
  • 休憩・休日関係
  • 変形休日制
Q

 シフトを組む担当となりました。当社は4週4休の変形休日制です。起算日から数えて2~5週目に3日しか休みがないなど、ある4週間をみたときに必ずしも4日なくても問題ないと聞きますが、どこに4日必要なのでしょうか。【徳島・E社】

A

起算日から数え4週間ごとみる

 法定休日に関しては、週1回与えるほか、4週間に4回という変形休日制も認められています(労基法35条2項)。なお、前者が原則で、後者は例外であることを強調し徹底させるとしています(昭22・9・13発基17号)。

 変形休日制は、就業規則等で起算日を定めなければなりません(労基則12条の2)。これは、…

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2025.04.25 【労働基準法】

代替休暇は何の効果が? 月60時間超時間外へ代え

キーワード:
  • 休憩・休日関係
  • 時間外労働
Q

 労使協定を見直し中で、月60時間超の時間外労働に関する代替休暇の協定をみつけました。利用者がほぼおらず破棄しようと思いますが、残す利点などあるでしょうか。【岩手・A社】

A

意向あれば賃金調整可能 取得不可確定時に支払う

 労基法は、月60時間を超える法定時間外労働に対し、通常の労働時間の賃金額の5割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならないとしています(法37条1項ただし書き)。一方で、この割増賃金の一部に代えて、同条3項に基づく代替休暇を与えることもできます。

 代替休暇に代えるには、労使協定の締結が必要です。締結事項は、…

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