『フレックスタイム制』の労働実務相談Q&A

2025.06.06 【労働基準法】

所定労働時間働き賃金満額か フレックス制で欠勤 コアタイムをどう扱う

キーワード:
  • フレックスタイム制
  • 賃金関係
Q

 フレックスタイム制で月の前半がオーバーワーク気味になった結果、月の所定労働時間の総枠に達する見込みの従業員がいます。本人から、総枠に達したらもう働かなくても良いでしょうかという申出がありました。所定労働時間の時間数を満たしている以上、コアタイムの欠勤控除もできないのでしょうか。【大阪・S社】

A

「出勤」自由とはいえず

 フレックス制の法定労働時間の総枠は、月の暦日数で決まります。月の前半で長時間働けば、1カ月で予定している所定労働時間や法定労働時間の総枠に早々に達してしまうことがあります。

 始業終業時刻の決定が労働者に委ねられている以上、業務命令により、フレキシブルタイム(労働者の選択により労働することができる時間帯)に…

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2025.06.03 【労働基準法】

週50時間より短く? フレックスの割増賃金

キーワード:
  • フレックスタイム制
  • 割増賃金
  • 労働時間関係
Q

 労働組合として、清算期間3カ月のフレックスタイム制導入に向けて交渉を進めています。現在、所定労働時間の7時間半を超えた部分から割増賃金が支払われています。これを維持したく、1カ月ごとに行う割増賃金の支払いについても、法定の週平均50時間超より短い時間での支払いを求めたいのですが、そもそもこのような仕組みを設けること自体が可能なのでしょうか。【福島・W組合】

A

法を上回る措置として実施可能

 労基法上、フレックスタイム制で割増賃金の支払いが必要になる法定時間外労働は、①清算期間における法定労働時間の総枠を超えた部分です。週法定労働時間に清算期間の暦日数を乗じ7で除して求めます。

 さらに、②清算期間が1カ月を超えるときは、1カ月ごとに区分した各期間について、…

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2025.04.10 【労働基準法】

特別条項なくてもよい? 3カ月フレックスを導入

キーワード:
  • フレックスタイム制
  • 労働時間関係
Q

 36協定の更新時期が近付いています。実際の時間外労働が長くても40時間で、特別条項は設けていませんでした。このたび清算期間3カ月のフレックスタイム制の導入が決まったのですが、36協定は従来どおりの延長時間としても影響はないでしょうか。【岐阜・U社】

A

最終の期間は注意が必要 全体における時間外労働

 時間外・休日労働をさせるには、過半数労働組合(ない場合は過半数代表者)と時間外・休日労働(36)協定を締結しなければなりません。法定労働時間を超えて働かせる時間として定める延長時間は限度時間の範囲内とします(法36条3項)。限度時間は、4項で月45時間、年360時間となっています。

 特別条項を設けることにより、この時間を超えた延長時間を定めることができます(5項)。この場合でも、時間外労働は年720時間以内とするほか、時間外・休日労働の合計について月100時間未満とすることが求められます。また、2~6カ月平均で月80時間以内で働かせることも必要です。なお、特別条項を発動し月45時間を超えることができるのは、…

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2025.02.21 【労働基準法】

週の予定聞くこと可能か フレックス制を適用 始業終業委ねる条件だが

キーワード:
  • フレックスタイム制
  • 労働時間関係
Q

 当社では、研究・技術開発部門を対象にフレックスタイム制を導入しています。会議等を実施する際に個々に予定を確認するのは煩雑なため、適用される部門の上長が翌週の予定をまとめて聞く形でも問題ないでしょうか。会議等の出席に応じない従業員は通常の労働時間制に戻すことも可能でしょうか。【神奈川・N社】

A

会議等はコアタイムで

 フレックスタイム制を導入するためには、始業終業時刻について、労働者の決定に委ねる旨就業規則等に定めなければなりません(労基法32条の3)。したがって、あらかじめ出退勤時刻について上司の承認を要するといった制度は、始業終業時刻の決定を労働者自身に委ねているとはいえないでしょう。使用者は、コアタイムの時間を除き、労働者に対してある時刻までの出勤を命じるためには、労働者の同意を得て初めて行うことができると解されています(菅野和夫・山川隆一「労働法」)。会議がフレキシブルタイム中に、…

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2024.08.09 【労働基準法】

欠勤控除はできるのか? フレックス制を採用時に

キーワード:
  • フレックスタイム制
  • 賃金関係
Q

 清算期間3カ月のフレックスタイム制を採用しています。ある清算期間の最初の月において、コアタイムの開始に始業が間に合わず遅刻となった労働者がいました。その分を欠勤控除し賃金を支払ったところ、「清算期間全体で帳尻を合わせられるのに控除するのはおかしい」と言われました。欠勤控除まではできないものなのでしょうか。【山口・A社】

A

コアタイムの遅刻など可 査定へ反映させることも

 フレックスタイム制は、労働者に始業・終業の時刻の決定を委ねる制度です(労基法32条の3)。導入に際しては、委ねる旨を就業規則へ規定するほか、労使協定の締結も必要です。締結事項は、①対象となる労働者の範囲、②清算期間(最長3カ月)、③清算期間における総労働時間(清算期間における所定労働時間)、④標準となる1日の労働時間です。任意で、⑤必ず働かなければならないコアタイム、⑥労働者が始業・終業時刻を決められる時間帯を指すフレキシブルタイムを設けることもできます。なお、フレキシブルタイムが極端に短かったり、コアタイムの時間数と④がほぼ一致していたりする場合等は、基本的には労働者に決定を委ねたこととはならないとされています(昭63・1・1基発1号)。

 上述のとおり始業・終業時刻の決定を委ねるため、基本的には遅刻や早退の問題は生じないといえます。1日の標準の労働時間に達しない時間も欠勤となるわけではありません(厚労省「わかりやすい解説&導入の手引き」)。ただし、コアタイムを設けているときは、…

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