労経ファイル 2018年10月1日 第657号
巻頭資料
厚生労働省「今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会・報告書」
厚生労働省が設置した「障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会」が報告書をまとめた。多様な希望や特性等に対応した働き方の選択肢の拡大に向けて創設を求める「週所定労働時間20時間未満の雇用に対する支援措置」の導入や在宅就業障害者支援制度の拡充などは、業務量がみつけにくい中小企業においても選択肢を増やせるとして推奨。障害者雇用納付金制度における障害者雇用調整金の原資を活用し、中小企業における障害者雇用促進のための環境整備等を着実に進めていくことなども提言。障害者雇用納付金制度の適用対象規模は常用労働者「50人以上」まで拡大すべきとした。法定雇用率は一定の算定式で引き上げてきたが、今後は計算結果に応じて直ちに引き上げるのでなく、雇用支援機関の態勢や雇用安定などを勘案するとした。
研究報告
厚生労働省「労働者の心身の状態に関する情報の適正な取扱い指針」
厚労省「労働者の心身の状態に関する情報の取扱の在り方に関する検討会」が、労働者の健康情報の取扱における適正運用に向けた指針をまとめた。心身の状態の情報の取扱いに関する原則を明らかにしつつ、事業者が策定すべき取扱規程の内容、策定方法、運用について定めた。取扱規程に定めるべき事項として「目的・取扱方法」「当該情報を取り扱う者とその権限、取り扱う情報の範囲」「目的等の通知方法・本人同意の取得方法」「情報の適正管理の方法」「情報開示、訂正等・使用停止の方法」「情報の第三者提供の方法」「事業承継、組織変更に伴う情報の引継ぎに関する事項」「苦情の処理」「取扱規程の労働者への周知の方法」を挙げている。取扱規程については、指針に示す原則を踏まえ、事業場ごとに衛生委員会又は安全衛生委員会を活用して労使関与の下で策定し運用を図るよう求めた。
調査資料
人事院「平成30年職種別民間給与実態調査」
人事院「民間給与実態調査」によると、事務系職種の平均所定内給与は、係員28.8万円(0.7%減)、課長59万円(0.7%増)となり、前年に比べ係長以下で落ち込んだが、課長以上では増加。技術系は、概ね増加したが、部次長62.5万円(4.2%減)、課長57.8万円(0.3%減)のみマイナスに。大卒初任給は、事務員20.1万円(1.1%増)、技術者20.4万円(0.7%増)となり、ともに5年連続で上昇。
厚労省「平成29年度雇用均等基本調査(事業所調査)」
平成29年度の「雇用均等基本調査」の事業所調査では、育児休業取得者割合は、女性が83.2%(前年度81.8%)で微増。男性は5.14%(同3.16%)で、過去最高を更新。育児短時間勤務制度は66.4%で導入。利用期間は「3歳未満」が57.0%で最も高い。介護休業制度の規定化率は、事業所規模500人以上99.2%(前年99.8%)に対し、5~29人で66.8%(同68.6%)となり、格差は拡大。
厚生労働広報
「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律について」(通達)
一部修正のうえ、6月29日に成立、7月6日に公布された働き方改革関連法(じん肺法を含む7法の一括改正)に関する都道府県労働局長宛て通達――「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律について」(基発0706第1号)。改正7法のうち、雇用対策法は公布日施行。派遣法、パート法および労契法は平成32年4月1日から、労基法のうち、時間外労働の上限規制に関する規定の中小企業への適用は平成32年4月1日から、中小企業における割増賃金率の見直しの適用猶予の廃止ついては平成35年4月1日から、その他の規定――「労働時間の状況を省令で定める方法により把握(安衛法)」「高度プロフェッショナル制度の創設。同制度の適用に係る同意の撤回について規定を創設〈衆議院において修正〉(労基法)」「勤務間インターバル制度の普及促進等(労働時間等設定改善法)」等については、平成31年4月1日から施行される。
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