労経ファイル 2015年4月1日 第615号

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巻頭資料

厚生労働省「労働時間法制建議と改正法律案要綱」

労働政策審議会が「今後の労働時間法制のあり方について」建議し、これを受けて厚生労働省は「労働基準法等の一部を改正する法律案要綱」を同審議会に諮問した。建議は、①月60時間以上の時間外労働割増率の中小企業への適用猶予措置廃止、②年5日間の年休に使用者の時季指定義務付け、③フレックスタイム制の清算期間を3か月に拡大、④企画業務型裁量制に課題解決型提案営業業務など2類型追加、⑤労働時間規制を適用除外とする「高度プロフェッショナル制度」創設などを示した。要綱には高度プロ型が“健康管理時間”を超えた場合の医師面接を義務付ける安衛法改正も盛り込んでいる。同審議会は法律案要綱について3月2日「おおむね妥当」と答申したが、労働者代表委員の反対意見も併記した。

研究報告

法務省・厚生労働省「技能実習制度見直し有識者懇談会報告書」

法務省と厚生労働省の「技能実習制度の見直しに関する合同有識者懇談会報告書」は、制度適正化策として監理団体の許可制導入、外部監査の要件化のほか、受入機関への立入調査・報告徴収を実施する制度管理運用機関を新法により創設し、同機関に実習生からの通報・申告窓口を整備することなどを提示した。また優良な監理団体や実習実施機関の要件を設定し、実習期間の延長・再実習を可能とする仕組みの構築や、受入れ人数枠の拡大、複数職種の実習、介護分野の職種追加など、制度の拡充策も示した。不適正な監理団体・実施機関への罰則強化、企業名や行政処分の公表にも言及している。制度改正に向けて通常国会に所要の法案を提出し、平成27年度中に新たな技能実習制度に移行する方針である。

行政資料

厚生労働省「有期特措法施行規則案要綱、高度専門職基準案要綱など」

厚生労働省は、専門的知識を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法の適用対象者を決定する「基準案」を明らかにした。公認会計士など8士業や医師、薬剤師などのほか、実務経験(大卒5年~高卒7年以上)を有する機械・電気・建築・土木の技術者やシステムエンジニアなども含めた7つのカテゴリーを示した。またこれらの高度専門職の年収要件(1,075万円以上)などを規定する同法施行規則案要綱のほか、認定要件となる特例対象労働者への雇用管理措置の指針案要綱では、教育訓練に関する休暇の付与、同時間確保措置、費用助成などの措置を示している。その他、労基法関連の省令や告示など、いずれも平成27年4月1日から施行または適用される。

調査資料

厚労省「平成26年賃金構造基本統計調査」

所定内賃金は、男性が33.0万円、女性が23.8万円で、前年から1.1%、2.3%上昇した。男性を100とした男女間の賃金格差は72.2となり、過去最少となっている。非正規社員の賃金も男女計で2.6%増加したが、正社員との賃金格差は前年から1ポイントの縮小にとどまる。パート時給は男性1,120円、女性1,012円となっている。

 厚労省「平成26年毎月勤労統計調査・確報」

 一般労働者の平均月間現金給与総額は409,796円で、2年連続で増加した。前年比1.3%増え、パートを含むと0.8%増の316,567円に。ただし実質賃金は3年連続で減少し、減少幅も2.5%減とリーマンショック時の2.6%減に次ぐ水準。平均月間総実労働時間は0.3%減の145.1時間で、所定外が3.8%増の11.0時間だった。

厚生労働広報

妊娠・出産に関する不利益に関する「解釈通達」改正

妊娠中の軽易な業務への転換に際しての降格に関し違法性があるとする最高裁の判断(広島生活協同組合事件・平成26年10月23日判決=本誌2015年1月号掲載)を受けて、男女雇用機会均等法と育児・介護休業法の解釈通達の一部を改正する通達。業務上の必要性から不利益取扱いを行わざるを得ない場合について、「特段の事情」のほか、労働者が同意し、「有利な影響が不利な影響を上回り、一般的な労働者であれば同意するような合理的な理由が客観的に存在する場合」は、不利益取扱いには当たらないとした。

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労働法超入門(格差の説明義務)
気持ちを楽に…心の時代(職場と介護問題)
ろうけい掲示板(厚生労働省)
労働委員会レポート(ゲオホールディングス事件)
送検事例(通訳が実習生の残業代違法処理を唆す)
判例解説(K病院経営者事件)
労経ファイル 第615号 (2015年04月01日号)

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