労経ファイル 2015年2月1日 第613号
巻頭資料
厚生労働省「障害者差別禁止・合理的配慮指針(案)」
労働政策審議会の障害者雇用分科会(分科会長:山川隆一東京大学大学院法学政治学研究科教授)は、「障害者に対する差別禁止および合理的配慮指針(案)」をまとめた。国連の障害者権利条約に対応するための障害者雇用促進法の一部改正法(平成25年法律第46号)で両指針の策定を規定化しており、その具体的内容を検討したもの。差別禁止指針は、募集・採用から解雇に至る雇用の全ステージで障害を理由とする直接差別など不当な取扱いを禁止するとし、また合理的配慮指針では、障害者との対話を通じて均等な機会確保・施設整備などを進めるよう示した。いずれも障害者を雇用する職場において、今後の雇用管理の両輪となる内容といえる。
提言・要望
関西経済連合会「女性活躍推進のための提案」
手厚い育児休業の長期利用によるブランク発生を防ぐ、病児保育代やベビーシッター代補助などの育児支援を――関西経済連合会が労働政策委員会の下に設置したダイバーシティ研究会の報告書「女性活躍推進のための提案」の指摘である。企業の人事・労務の実務者が現状の課題と解決方策を検討したもので、継続就業しキャリアアップをめざすためには、育児休業からの早期復職を促すとともに、育児に対応しながら業務責任を果たすことができる働き方の整備が不可欠としている。また管理職登用の視点では、中・長期的視点での基幹的職務への配置や、企業の枠を超えたロールモデル・ネットワーク構築支援などを挙げた。
行政資料
厚生労働省「労災保険率等の改定(徴収法施行規則一部改正省令案要綱)」
3年間の労働災害発生状況の変化を労災保険の保険料率に反映する改正が4月1日から行われる。労政審の諮問・答申が終了した改正内容は、全業種平均で1000分の0.1引き下げる内容で、引下げ対象23業種に対し、引上げ対象業種は8業種にとどまった。一人親方などの特別加入制度の料率も18区分中13区分で改定するとともに、海外派遣者に関する第3種保険料率は1000分の1引下げとなった。また請負による建設事業に関する労務費率は、据置きの2事業を除き6事業で引き上げられ、賃金総額の算定基礎となる請負金額から消費税額等を除外すること、労務費率に関する暫定的取扱いを廃止することも、施行規則改正省令(案)に盛り込まれている。
調査資料
厚生労働省「平成26年労働組合基礎調査の概況」
厚生労働省の「平成26年労働組合基礎調査」は、労働組合の組織率が前年比0.2ポイント減少し、過去最少の17.5%だったことを明らかにした。雇用者数増、組合員数減が続いているが、5年間で男性組合員の減少が35万人に達している。女性組合員はかろうじて3年連続して増加した。パート組合員は前年比6.2%増え97万人に達し、全組合員に対する割合も9.9%と1割到達が必然に。
厚生労働広報
専門的知識等有期雇用特別措置法・通達
労契法では、有期労働契約を通算して5年を超えた場合、有期契約労働者の申込みにより無期契約に転換できるが、無期転換ルールに特例を設ける「専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法」が平成26年11月28日公布された。一定の期間内に完了する業務に従事する高収入かつ高度な専門知識、技術などを有する有期契約労働者の通算年数を5年から10年に延長するもの。また定年後に引き続いて雇用される有期契約労働者は無期転換ルールの対象外とする措置も。施行期日は27年4月1日。
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