労経ファイル 2017年4月1日 第639号
巻頭資料
厚生労働省「男女雇用機会均等対策基本方針(第3次)」(案)
厚生労働省は、第3次となる「男女雇用機会均等対策基本方針」(案)をまとめた。均等法4条に基づき、今後の均等施策の基本となるべき事項を示したもの。「就業意欲を失うことなくその能力を伸長・発揮できるための環境整備」では、性差別等の違反に対する行政指導を徹底させ公正な処遇の確保を果たす一方で、子育て・介護との両立が可能な職業訓練等を実施。「多様な就業形態に対する支援」では、パートタイム労働対策、テレワーク・在宅就業対策、仕事と育児カムバック支援サイトを通じた情報提供や相談支援などによる再就職支援を進める。同方針の運営期間は平成29年度から概ね5年間だが、政府の働き方改革会議の議論を踏まえ機動的に対応していく。
提言・要望
経済産業省「標準化人材を育成する3つのアクションプラン」
産学官で構成する経済産業省「標準化人材育成ワーキンググループ」は、「標準化人材を育成する3つのアクションプラン」を策定した。第4次産業革命の進展とともに、国際標準化の位置づけが大きく変化しているとして、エンジニアを中心とする標準化専門家だけでなく、ルール形成戦略を担う経営層から標準化を支える裾野人材にまで育成対象を広げ、企業が取り組むべき具体策をまとめている。標準化人材の育成に向け、企業内に最高標準化責任者(CSO)を設置し、政府と連携して経営層の理解を深めること、組織体制と人事評価制度を明確にすること、人材育成計画を作成し政府・関連団体の施策を活用しつつ計画を実施すること、などを提示している。
調査資料
厚生労働省「平成28年就労条件総合調査」
平成28年就労条件総合調査で、5年ぶりに調べた常用労働者の1人平均労働費用総額は月41.7万円となった。このうち現金給与額は33.7万円、総額に占める割合は80.9%だった。法定福利費は4万7,693円、法定外福利費は6,528円となっている。5年前の前回調査と比べ、総額が700円強の微増となった一方、現金給与額は3,500円ダウン。法定福利費は3,700円、8.3%増加している。
厚生労働省「平成28年賃金構造基本統計調査」
厚労省の平成28年賃金構造基本統計調査によると、所定内賃金は、男性が33.5万円で前年比横這い。一方、女性は過去最高の24.5万円となり、男女の賃金格差は73.0と過去最高となった。非正規社員の賃金も男女計で3.3%増加し、正社員との格差は0.9ポイント縮小し65.8%となり過去最少を記録。パート時給は男性1,134円(0.1%増)、女性1,054円(2.1%増)でいずれも過去最高に。
厚生労働広報
雇用保険法等の一部改正法律案要綱
雇用保険法・育児介護休業法・職業安定法の改正3法案が第193回通常国会に提出された。雇用保険法関係では、雇用保険料率の引下げ(0.2%)、基本手当の給付水準の改善等の措置を講じる。育介法では、育児休業期間の延長(2歳まで)、職安法では、虚偽求人者への罰則適用等の項目が盛り込まれている。予算関連法として今年度末までに成立する見込み。法施行日ごとの流れは別表を参照されたい。なお、本欄で紹介した改正法案要綱では、「第3徴収法の一部改正」の雇用保険率の改正の項で、平成29年度~31年度分が1000分の13.5((1)失業給付の保険料率1000分の10+(2)雇用保険二事業の保険料率1000分の3.5)となっているが、雇用情勢の改善に基づく3年間の時限措置のため、本則は変更せず、附則に定める形で修正した。さらに、弾力条項の適用により(1)で労使とも-0.2%(計-0.4%)、(2)は-0.05%に修正し、修正後は1000分の9となる予定。平成29年度の雇用保険料率表を併載した。
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