労経ファイル 2017年11月1日 第646号
巻頭資料
厚労省「働き方改革推進・関係法律の整備に関する法律案要綱」
厚労省は、「働き方改革関連法案」要綱を提示した。次期国会への提出準備を進める。改正するのは「労基法」「雇用対策法(法律名も改正)」「安衛法(じん肺法を含む)」「派遣法」「労働時間等設定改善法」「パートタイム労働法(法律名も改正)」「労契法」の労働関係7法。時間外労働の上限規制と高度プロフェッショナル制度の創設に加え、非正規労働者の処遇改善に向けた不合理な待遇差解消のための規定の整備、勤務間インターバル制度の普及促進など、多数の改正事項を一括した法案。衆院解散の影響により成立時期は未定だが、施行期日は原則平成31年4月1日を見込む。労働広報欄で労基法改正案の平成27年国会上程分との対照表も掲載。
提言・要望
日本商工会議所「平成30年度税制改正に関する意見」
日本商工会議所は、「平成30年度税制改正に関する意見」を発表した。中小企業の活力を最大限引き出す税制の整備が必要として、経営の足かせになっている制度の見直しを訴えた。「大事業承継時代」を乗り切るための税制措置の抜本的拡充、所得拡大促進税制や少額減価償却資産の特例の拡充のほか、商業地等に係る固定資産税の負担調整措置の見直しへの反対等を主張。中小の挑戦を後押しするため、「賞与引当金、退職給与引当金の損金算入制度の復活」を、人手不足克服に向けては、賃上げに取り組む中小企業が所得拡大促進税制を活用できるよう、実態を踏まえ適用要件の緩和・延長や、教育訓練費等の税額控除を求めた。
調査資料
厚労省「平成28年パートタイム労働者総合実態調査(個人調査)」
5年ぶりに実施した厚労省「平成28年パート総合実態調査」によると、雇用期間の定めのあるパートの契約更新回数は4回以上が63%を占めており、平均更新回数も9.2回となり前回調査結果の8.8回を上回った。役職についている割合は前回4.8%から6.2%に上昇。仕事の内容・責任の程度が同じ正社員がいるとする回答は16.6%と低かったが、うち、34%が納得していないとしている。
国税庁「平成28年民間給与実態統計調査」
国税庁「民間給与実態統計調査」によると、平成28年1年間を通じ勤務した給与所得者の平均給料・手当・賞与を含めた平均給与(年収)は、男性で521.1万円、前年比0.1%増となった。内訳は、平均給料・手当は438.1万円となり0.3%増加したが、賞与は83.1万円で0.6%減少している。非正規の年収をみると、男性227.8万円(0.9%増)、女性148.1万円でいずれも微増である。
厚生労働広報
「働き方改革関連法案」要綱・平成27年国会提出法案要綱(対照表)
巻頭資料で掲載した「働き方改革関連法案」要綱と平成27年通常国会に上程され店晒しとなっていた労基法改正案要綱との新旧対照表。連合の要請も踏まえた形で見直された「①企画業務型裁量労働制」「②特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)」についてまとめている。①では、拡大解釈の危険性を回避するため、追加業務の定義について詳細化・限定化を行った。旧改正案で追加するとしていた「課題解決型提案営業」について、「商品販売のみを内容とする営業所の労働者は対象となり得ない」等の規定を新設。②に関しては、健康確保措置の強化が図られた。見直し案では、「1年104日以上、4週、4日以上の休日」を必須として位置付けたうえで、従来案の「勤務間インターバル・深夜業の制限」「1・3カ月の健康管理時間の上限設定」に加え、「2週連続の休暇」「疲労蓄積等をチェックする臨時の健康診断」を選択的措置として列挙している。
Regular Site
労働法超入門(4法の一括改正)
ろうけい掲示板(高齢・障害・求職者雇用支援機構)
労働委員会レポート(神戸学院事件)
送検事例(玉掛けワイヤーから角鋼管落下し作業員を直撃)
判例解説(ジブラルタ生命(旧エジソン生命)事件)