労経ファイル 2016年1月1日 第624号

巻頭資料

厚生労働省「組織変動に伴う労働関係研究会報告書」
厚生労働省の「組織変動に伴う労働関係に関する研究会」(座長:荒木尚志東京大学大学院政治学研究科教授)は、“事業譲渡”時の労働契約承継ルール適用を検討し報告書をまとめた。事業譲渡では、譲渡・譲受会社間で労働契約の承継(個別合意)を含めた債権債務を特定し合意することを前提としている。労働契約が承継されない場合の不利益発生も懸念されるが、報告書では「ルール導入は慎重な検討を」とした。承継強制により譲渡不成立に繋がり、雇用機会を喪失する危惧などが理由。ただし、「真意による合意」を得るための手続き面などを含めたガイドラインの策定を提言した。

企業事例

厚生労働省「キャリア支援企業表彰2015」
厚生労働省は、従業員のキャリア形成に積極的に取り組む企業を毎年表彰している。2015年は全国から応募のあった70社から、朝倉染布㈱はじめ9社を厚生労働大臣表彰企業に選定した。同社は、毎年立案する経営計画で人材育成を重点項目に掲げており、女性社員が活躍する風土づくりが評価された。東京海上日動火災保険では初期教育の徹底強化を進め、基本行動を「新人八訓」にまとめている。全社員が出資して親会社から独立した輸入業の日本レーザーでは、フェアな処遇で10年以上離職率実質ゼロ、女性管理職が3分の1を占めるなど、表彰企業に学ぶところは多い。

行政資料

厚生労働省「平成27年障害者雇用状況集計結果」
平成27年6月1日現在で民間企業が雇用する障害者は約45.3万人で、前年比2万人強の増加となり、実雇用率も同0.06ポイントアップして1.88%となった。厚生労働省が雇用状況報告を集計した結果で、いずれも過去最高を更新した。精神障害者の雇用が増えており、24年の約1.6万人から3年で約3.5万人に達している。規模別の実雇用率では、1000人以上規模が2.09%と法定雇用率(2.0%)を超えている。法定雇用率を達成した企業割合は2.5ポイントと増えたが、47.2%で半数に達していない。未達成企業は約4.6万社で、そのうち65%は「1人不足企業」。障害者を1人雇用すれば法定雇用率を達成できるわけで、これらの企業の取組みが期待される。

調査資料

厚生労働省「平成27年就労条件総合調査」
年休取得率は改善しなかった――厚労省の平成27年就労条件総合調査結果で、付与日数、取得率ともに前年を下回った。前年比が可能な集計では、ぞれぞれ0.2ポイント、1.5ポイント減の8.8日、47.3%にとどまった。調査対象抽出替えで医療法人、社会福祉法人などが加わり、完全週休2日制実施割合は1割超に。5年ぶり実施の諸手当関係では約6000円強のダウンが明らかになった。

厚生労働広報

勤労青少年福祉法等の一部を改正する法律・告示・省令
若者が適切な職業を選択し能力を有効に発揮できる環境を整備するため、勤労青少年福祉法、職業安定法、職業能力開発促進法などの一部を改正する「青少年の雇用の促進等に関する法律(平成27年法律第72号)」(若者雇用促進法)などが平成27年10月1日から順次施行された。このうち適切な職業選択のための取得の促進策として、①事業主による職場情報の提供の義務化、②労働関係法令違反の事業主に対する、ハローワークの新卒者向け求人の不受理が、平成28年3月1日から施行される。前者は「募集・採用」、「労働時間など」、「職業能力の開発・向上」に関する状況の3類型ごとに1つ以上の情報提供を義務付けている。同法のほか、若者の採用・育成に積極的に取り組み、雇用管理状況が優良な中小企業の認定制度も新設され、その要件などを定めた同法施行規則(厚労省令155号)、事業主や職業紹介事業者などに対する指針(厚労省告示第406号)を併載した。

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労経ファイル 第624号 (2016年01月01日号)

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