労経ファイル 2016年9月1日 第632号

巻頭資料

経団連「同一労働同一賃金の実現に向けて」

経団連の提言「同一労働同一賃金の実現に向けて」が公表され、厚生労働省「同一労働同一賃金の実現に向けた検討会」においてヒアリングが行われた。同提言では、同一労働同一賃金のあり方を示すとともに、非正規従業員の待遇改善策を提案している。政府が閣議決定した「ニッポン一億総活躍プラン」にあるように、わが国の雇用慣行に留意した日本型の仕組みをめざすべきとしている。企業が非正規従業員の労働条件について自主点検を行うためのガイドラインの策定などに取り組むことを求め、項目別にチェックポイントを例示した。本欄では、同検討会で提出された「日本商工会議所」「全国中小企業団体中央会」「日本労働組合総連合会」の考え方も紹介した。

研究報告

労働政策研究・研修機構「諸外国非正規労働者の処遇実態研究会報告書」

厚生労働省の要請に基づき、労働政策研究・研修機構が「諸外国における非正規労働者の処遇の実態に関する研究会(座長:荒木尚志・東京大学大学院法学政治学研究科教授)」報告書をまとめた。EU、ドイツ、フランス、イギリス、韓国、アメリカにおける非正規労働者(パート・有期・派遣)の処遇に関する法規制と実態について調査している。政府が進める「同一労働同一賃金の実現」に向けて、諸外国と日本の制度の比較検討に役立つ。EU諸国では、EU指令の存在もあって、不利益取り扱い禁止ないし均等処遇規制が法定されており、そこで問題になるのは、日本のような基本給格差ではなく、付加給付や福利厚生面であると指摘。日本が不利益取り扱い禁止や均等待遇によって非正規雇用の処遇改善を図る際には、日本にとって実効性のある処遇改善策を検討する必要があるとした。

行政資料

厚生労働省「鉄鋼業における安全衛生管理活動に係る自主点検結果の分析」

厚労省は、重篤な災害が相次いだため、鉄鋼業の事業場に実施を要請した安全管理活動に関する自主点検結果をまとめた。各事業場からの報告を分析した結果、災害発生率の高い事業場では、「安全担当者に作業停止権限など十分な権限を与えていない」、「災害原因の背景や要因を分析していない」、「作業マニュアルの見直しを行っていない」などの割合が高い傾向がみられた。厚労省では、関係業界団体に対し、同分析結果を踏まえた労働災害防止対策の実施を要請した。本欄では、指導実施に向けた都道府県労働局長宛通達のほか、鉄鋼業、紙パルプ製造業、一般機械器具業、食料品業、金属製品業の平成28年(6月末現在)の災害事例を併催した。

調査資料

厚労省・経団連・連合「2016年春季賃上げ妥結状況」

2016年の春季賃上げ妥結状況が発表された。厚労省の民間主要企業対象の集計では、平均妥結額・率は6,639円、2.14%に。ともに昨年より減少したが、賃上げ率は3年連続で2%台を維持。経団連の大手対象の最終結果では、妥結額7,489円、率で2.27%となり、額・率ともに減少。連合の最終集計は、平均賃金方式(加重平均)で5,779円、率2.00%となり、額・率とも昨年実績を下回った。 

厚生労働広報

短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大Q&A集

今年10月1日から、501人以上の特定適用事業所に勤務する短時間労働者は、新たに厚生年金保険等の適用対象になる。公的年金制度の財政基盤強化に向けた被保険者の適用拡大策である。7月号の本誌本欄で関係省令・通達を紹介したが、本号では、「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大Q&A集」を掲載する。「1 被保険者資格の取得要件(総論)、「2 特定適用事業所」「3 1週間の所定労働時間が20時間以上」「4 雇用期間が継続して1年以上見込まれること」「5 月額賃金が8.8万円以上」の5項目について詳細な解説を行っている。所定労働時間の「4分の3基準」を満たさない短時間労働者も、新たに5要件(週所定労働時間が20時間以上、月額賃金が8.8万円以上など)全てを満たした場合に被保険者資格を取得するとした。

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労経ファイル 第632号 (2016年09月01日号)

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