労経ファイル 2016年12月1日 第635号

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巻頭資料

厚労省「雇用安定事業の実施について」(通達/省令)

雇用保険法施行規則の一部を改正する厚生労働省令第161号が10月19日付で公布・施行された。①65歳超雇用推進助成金の創設や②キャリアアップ助成金等の改正が盛り込まれており、平成28年度第2次補正予算成立を受け、改めて助成金関係の流れを確認しておきたい。本欄では、同省令と「雇用安定事業の実施について」(通達=職発1019第1号/職発1019第1号/雇児発1019第3号)を紹介する。②では、労働協約又は就業規則に65歳への定年の引上げを新たに講じた事業主に100万円を支給する等の措置を行う。②では、中小の有期契約労働者等の処遇改善コースの改正等(職業安定局長の定める割合〈3%〉以上で増額改定した場合、現行助成額に上乗せ)が盛り込まれた。

研究報告

労働安全衛生総研「過労死等の実態解明と防止対策~総合的な労働安全衛生研究報告」

過労死等予防に役立てるため、労働者健康安全機構の労働安全衛生総合研究所は、全国の労働局・労基署より収集した平成22年1月~27年3月の労災認定事案3,564件(脳・心臓疾患事案1,564件、精神障害事案2,000件)の解析を行った。被災者の特徴として、脳・心臓疾患では女性が1割にも満たないが、精神障害では3割を占めていた。脳・心臓疾患の発症時年齢は、男性49.3歳、女性49.4歳。脳内出血やくも膜下出血などの脳疾患が6割強と最多。73%が発症時の前駆症状はなかった。過重労働による面接を実施していたのはわずか2%に過ぎない。精神障害疾患では、労災請求時の平均年齢は40歳だが、男女を問わず30歳代の事案が最も多く、とくに女性は20歳代の発症も珍しくない。脳・心臓疾患の最も多い運輸業・郵便業(うち自動車運転従事者)の被災事例の分析結果も併載した。

調査資料

厚生労働省「平成27年労働安全衛生調査(事態調査)」

受動喫煙防止対策に取り組む事業所割合が約9割に上昇していることが厚労省「平成27年労働安全衛生調査」で分かった。実態をみると「屋外のみ喫煙可能」が38%で最多。リスクアセスメントを実施している割合は47.5%で前回より5.6ポイント低下したが、作業に用いる化学物質の危険・有害性関係事項の実施率は12ポイント増の27.5%に上昇。簡易な手法の広がりが寄与したとみられる。

経団連「2016年3月卒新規学卒者決定初任給調査」

経団連の 新規学卒者初任給調査によると、学歴別では、短大卒・技術系、高卒・現業系を除き1,000円超の引上げが行われた。大卒・事務系の初任給額は213,892円で対前年上昇率・額は0.63%、1,338円に。大学院卒は技術系で初の23万円台に突入。初任給を引き上げた企業割合は2年連続で半数を超えた。初任給決定の判断要因では、「人材を確保する観点から決めた」(16.1%)が3位に浮上した。

厚生労働広報

厚生労働省「職安法施行規則の一部改正省令・通達」

第6次地方分権一括法が成立し、8月から、都道府県や市区町村が自由に「地方版ハローワーク」を設置し、無料職業紹介を行うことが可能となった。都道府県等が国のハローワークを活用する枠組みも創設された。本欄では、同法施行に伴う職業安定法の一部改正施行に伴う通達を紹介する。改正省令第142号の概要とともに、雇用対策法の一部改正の施行に関する通達も併載。すでに事業を行っている自治体も多いが、全国知事会から事務負担が重いと見直し要望が出されていた。今後、自治体が無料職業紹介事業を行う場合、国への届出が廃止され、職業紹介責任者の選任等の規制も除外される。また、雇用対策における国と地方の連携を拡充するため、雇用対策全般について、自治体と都道府県労働局が連携し、共通の成果目標達成を図る都道府県別の「法律上の協定」を締結することで、都道府県知事は協定内容全般について法律上要請することができるようになる。

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労経ファイル 第635号 (2016年12月01日号)

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