労経ファイル 2017年2月1日 第637号

巻頭資料

働き方改革実現会議/厚労省――『同一労働同一賃金』~ガイドライン案/検討会中間報告

政府が、昨年末に第5回「働き方改革実現会議」(議長・安倍首相)を開催し同一労働同一賃金ガイドライン案を明らかにした。同一企業内での正社員と非正規労働者の待遇差について、職務経験や能力、業績や成果、勤続年数による金額差は容認しつつ、不合理な差を認めないとした。時間外や深夜・休日手当、病気休職などで差をつけることはNG。基本給、昇給、賞与、各種手当における不合理な差のほか、教育訓練や福利厚生の均等待遇まで「問題となる・ならない」具体例を網羅。同案を踏まえ関係法の改正につなげる。本欄では、ベースとなった厚労省「同一労働同一賃金の実現に向けた検討会」中間報告(案)も掲載。ガイドライン作成を「非正規」をなくす一歩とするとともに、より良い働き方が可能となる制度設計の展開を期待するとした。

研究報告

厚生労働省「職業紹介等に関する制度の改正について(報告書)」

厚生労働省は、12月13日の労働政策審議会職業安定分科会で建議を行い了承された職業安定法の改正案の報告書を公表した。虚偽の条件を呈示して公共職業安定所、職業紹介事業者等に求人の申し込みをした場合、あっせんした紹介会社に加え、求人申し込みをした企業も新たに罰則の対象とする。求人企業は、事前に提示した賃金や労働時間等の労働条件が事実と相違する場合、相違内容を明示しなければならないこととする。併せて、求職者に示した内容について保存義務を課す。追加的に明示すべき労働条件の内容は、①固定残業代にかかわる計算方法や固定残業代を除外した基本給額の明確化、②有期労働契約で試用期間的なものがある場合、本採用後ではないことの明確化など。雇用仲介事業者にも、職業紹介事業者間の業務提携、苦情処理体制の整備など具体的事項を盛り込んだ。

調査資料

厚生労働省「平成28年賃金引上げ等の実態調査」

平成28年の1人平均賃金の改定額(加重平均)は5,176円で前年を106円下回り、5年連続増とはならなかった。率は1.9%で前年と同水準。引上げ予定を含む引上げ企業の割合は上昇しており、定昇を「行った・行う」企業割合は、一般職78.4%で前年より0.8P増。ベア実施率は、管理職17.8%、一般職23.3%で、ともに前年を下回る。年間賞与は1,616,270円となり4万円超増加。

厚生労働広報

新・技能実習法の交付について(通知)/法律、入管法一部改正法律

「① 外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(第89号)」と、「②出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律(第88号)」が、昨年11月28日付で公布された。本欄では、両法律条文と外国人技能実習適正化法の趣旨・内容を説明した各都道府県労働基準局長宛て「通知」を掲載する。①外国人技能実習適正化法の主な内容は、(1)「国際研修協力機構」に代え、法的権限を有する監督機関「外国人技能実習機構」を新設、(2)実習生ごとに作成する「技能実習計画」を認定制とする、(3)実習生を受入れる「監理団体」と「実習実施者」をそれぞれ許可制、届出制とするなど。修正案に基づき、実習生の報酬は日本人が従事する場合と同等額以上とすべき旨も明文化(〈認定の基準〉第9条九号)された。監理団体・実習実施者・実習生のそれぞれすべてが「条件を満たせば」、実習生は技能実習3号に移行でき、最長5年まで在留できる。公布日に施行する外国人技能実習機構関係以外は、いずれも公布日から1年以内に施行される。②入管法の改正では、外国人が就労できる在留資格に「介護」を追加した。留学生の資格で入国した外国人が国指定の養成施設で学び、介護福祉士の資格を得た場合が対象になる。原則、公布日から1年以内に施行される。また在留資格を偽装して滞在する外国人対策として、虚偽申告に罰則を設けた。新たな技能実習法の施行に伴い、従来、農業や製造業、建設業を対象としてきた技能実習制度の対象職種として介護職種を追加する。

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労経ファイル 第637号 (2017年02月01日号)

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