労経ファイル 2015年10月1日 第621号

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巻頭資料

厚生労働省「雇用政策研究会報告(中間とりまとめ)」

厚生労働省の雇用政策研究会(座長:樋口美雄慶應義塾大学商学部教授)が報告書(中間とりまとめ)を明らかにした。人口減少下での安定成長をめざすには、「個々の労働の質の向上」が欠かせないとし、グローバル化や技術革新で変化する仕事に必要な職業能力を身につけるため、節目ごとにキャリアコンサルタントによる能力の棚卸しや職業生活設計の明確化が求められるとした。あわせて全員参加社会にふさわしい働き方を構築するには、長時間労働など無限定な働き方を改めて、効率的な業務遂行を評価する人事評価制度や多様な正社員の普及・拡大という方向性を示した。

研究・報告

経済産業省「兼業・副業に係る取組み実態調査報告書」

経済産業省は、わが国の低い開業率改善策として、起業につながる「兼業・副業」の容認を促すレポートをまとめた。アンケート調査では「不可」の回答が96%に達し、多くの企業が就業規則などで兼業・副業を禁止している実態を明らかにした。推進する企業はみられなかったが、3.8%が容認しており、手続き方法として書類申請が23%、口頭など書類なしの許可が28%で、残りの49%は報告なし―いわば放任状態にあった。報告書では、「社員への信頼があれば、推奨できる」、「副業をパラレルワークと呼び、専業禁止が人材ポリシー」などヒアリング調査による容認企業の考えを紹介し、「従業員個人の能力向上や視野の拡大などの成長が、ひいては会社の成長にも繋がる」など、兼業・副業の容認を検討するよう示唆している。

行政資料

厚生労働省「ストレスチェック制度 Q&A」

改正労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度が、12月1日からスタートする。厚生労働省では同制度の啓発・解説資料としてQ&A集をまとめており、制度全般に関することからチェックの実施方法、結果の記録・保存、労働基準監督署への報告など、20分野、65項目で構成している。例えば、受検や面接指導などに係る経費は事業者が負担すべきで、そのため不就労となる時間に対する賃金も支払うことが望ましいとし、また受検の勧奨では、方法や頻度は衛生委員会で調査審議すべきで、就業規則で受検を義務付け、懲戒処分の対象としてはならないことや、結果の通知に際して、結果の情報提供同意書の同封は可能など、分かりやすく疑問点に答えている。

調査資料

人事院「平成27年職種別民間給与実態調査」

人事院「職別民間給与実態調査」によると、事務系職種の平均所定内給与は係長41.0万円、課長60.3万円、部長70.1万円などとなり、前年結果より係長2.5%増、課長0.3%増と伸びたが、部長は6.5%減と大幅ダウン。技術系では係長1.0%減の42.0万、課長4.4%増の58.5万円、部長2.1%増の68.5万円となっている。大卒初任給は事務員19.6万円、技術者20.0万円に上昇した。

厚生労働広報

女性活躍推進法

企業に女性登用を促すため、女性の管理職比率や採用比率の数値目標などの「行動計画」を301人以上規模に義務付ける「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」が9月4日に公布された。行動計画は女性の活躍に関する状況把握、課題分析を通じて改善点を立案し、厚労省に届け出なければならない。また職業選択に参考となる情報の公開も義務化された。詳細は今後、労政審で検討の上、省令・告示で示される。同法は告示日から施行されたが、行動計画などに係る部分は平成28年4月1日からの施行となる。

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