労経ファイル 2018年9月1日 第656号

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巻頭資料

厚生労働省「働き方改革推進関係法条文/関係省令・指針案」

働き方改革法が6月29日の参院本会議で可決、成立した。本欄では、7月6日に公布された「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」(法律第71号)の主要部分と、厚労省労働政策審議会で検討している省令・指針案の概要を紹介する。時間外労働の上限規制や年休指定義務化などの労基法、安衛法(じん肺法を含む)、正規と非正規の不合理な格差解消に向けたパートタイム労働法、労契法、派遣法など7法案の一括改正。法律では、高度プロフェッショナル制度の適用で、「同意の撤回について規定を創設」するなど衆議院において修正された項目もある。省令・指針案では、36協定事項として「限度時間超えの労働者に対する健康確保措置」や「年休管理簿の作成」を義務付けることなどが示されている。

提言・要望

日本商工会議所「2019年度中小企業・地域活性化施策に関する意見・要望」

日本商工会議所は、「2019年度中小企業・地域活性化施策に関する意見・要望」をまとめた。本欄では主に、中小企業・小規模事業者の成長・発展に関する項目を掲載する。中小企業のIT・IoT・AI等活用支援の一環として、生産性向上のための「業務プロセス」の見直しを継続的に支援する専門家派遣事業の創設や、IT導入補助金の継続・拡充、IT支援人材の育成、ビジネスアプリ・コーディネーター(仮称)の創設等を提言。人手不足解消に向けては、学生の希望を前提に、「採用に結び付くインターン学生情報の活用」も求めた。働き方改革関連法への対応としては、中小・小規模の取組みに資する形での「働き方改革推進企業を表彰・認定する制度」の創設等も要望。

行政資料

厚生労働省「平成30年度地域別最低賃金額改定の目安」

平成30年度の地域別最低賃金額改定の目安は、東京や大阪のAランクは27円、京都、兵庫などBランクは26円、北海道、福岡などCランクは25円、青森や沖縄などのDランクは23円に。目安小委員会では、労使の意見が対立し、公益委員見解を中央最低賃金審議会の答申とした。厚労省の試算では、全国加重平均で昨年より1円増の26円のアップとなる。昨年の目安と比べると、A~Dランクすべてで1円のアップである。全都道府県で20円を超える目安額になっており、引上げ率に換算すると政府方針(3%)に適う3.1%となっている。目安通りに決定されれば、最低賃金が時給で決まるようになった平成14年度以降で最高額となる引上げに。

調査資料

厚労省・経団連「平成29年度過労死等の労災補償状況」 

2018年の春季賃上げ妥結状況は、厚労省の民間主要企業対象の集計では、平均妥結額・率は7033円、2.26%に。昨年とは逆に、ともに上昇しており、賃上げ率は3年ぶりに前年比プラスである。経団連の大手対象の最終結果では、平均妥結額8539円、率2.53%で額・率ともに増加。ユニオンレポ欄に収録した連合の最終集計は、平均賃金方式(加重平均)で5934円、率2.07%となった。

厚生労働広報

「雇用保険基本手当日額変更告示等」「労災保険年金スライド率改正告示等」

〇雇用保険給付の基礎となる「基本手当日額」の最高額が、各年齢層で40円~45円引き上げられた(告示第271号)。この措置と連動する、失業中のアルバイト収入などに対する減額控除額は1294円(告示第272号)、高齢者雇用継続給付算定の支給限度額は359899円(告示第273号)となった。8月1日から適用されている。

〇労災保険年金額の算定に当たり使用する「給付基礎日額」を、賃金水準の変動に応じて改定するスライド率を平均0.6%プラス改定する告示第288号、年金給付基礎日額の年齢階層別最低・最高額を改める告示第286号、遺族(補償)等一時金の額の算定に用いる換算率に関する告示第289号を掲載。毎月勤労統計の平均給与額の変動に応じて変更される自動変更対象額は3940円に(告示第287号=平成30年8月1日~31年7月31日適用)。

Regular Site

労働法超入門(改正派遣法施行後3年)
ろうけい掲示板(労働者健康安全機構)
労働委員会レポート(A社長野販売事件)
送検事例(フォークを最低降下位置に置かず作業させ衝突・死亡)
判例解説(学校法人D学園事件)

労経ファイル 第656号 (2018年09月01日号)

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