労経ファイル 2016年4月1日 第627号
巻頭資料
厚生労働省「正社員転換・待遇改善実現プラン」
「日本再興戦略」改訂2015―未来への投資・生産革命」において、正社員転換や雇用管理改善の重要性が指摘され、非正規雇用労働者の正社員転換等を加速させていくことが盛り込まれことなどを踏まえ、厚生労働大臣を本部長とする正社員転換・待遇改善実現本部が実現に向けた平成28年度~平成32年度の5か年計画(目標値は1年単位)をまとめた。今後、進捗状況を毎年把握し公表する。主要な目標に、不本意に非正規として働く労働者の割合を全体平均で10%以下(平成26年平均:18.1%)にする、若年層(25~34歳)についてはその割合を半減(同28.4%)するなどを掲げた。ハローワークでのマッチング強化、キャリアアップ助成金の活用促進等に取り組む。
研究報告
経済産業省「秘密情報の保護ハンドブック~企業価値向上に向けて」
経済産業省は、秘密情報の漏えい防止策を企図する企業向けに「秘密情報の保護ハンドブック~企業価値向上に向けて」を策定した。秘密情報を決定する際の考え方、具体的な漏えい防止策、取引先などの秘密情報の侵害防止策、漏えいが起こってしまった時の対応方法等をまとめている。大部に及ぶため、本欄では、第3章「秘密情報の分類、情報漏えい対策の選択及びルール化」(5つの対策の目的〈接近の制御、持ち出しの困難化など〉等を抜粋)、第4章「秘密情報の管理に係る社内体制のあり方」に絞り掲載する。継続的な取組みが重要であるとして、経営層の関与をはじめ、各部門の役割など基本的な考え方を示しつつ、企業規模別の具体例も提示。小規模の場合は、定例の社内会議等において経営層も含めた全社員により、秘密情報管理の報告・見直しを行うことも現実的としている。
行政資料
厚生労働省「事業場における治療と職業生活の両立支援ガイドブック」
厚生労働省が、「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」をまとまとめた。がんなど、反復治療が必要な疾病を抱える労働者が、疾病を増悪させることなく治療を続けながら就業できるよう配慮するために、事業場における環境整備、個別労働者への支援の進め方などをまとめた。労働者本人の申し出が前提で、事業場内ルールの作成・周知、労働者や管理職に対する研修による意識啓発など、申し出が行いやすい環境委整備が重要としている。就業場所の変更、労働時間の短縮など「安全と健康の確保」、対象者・対応方法の明確化などを示している。全ての労働者に周知することで、両立支援の意義を共有し、実現しやすい職場風土をつくるとした。
調査資料
厚生労働省「平成27年賃金構造基本統計調査」
厚生労働省の平成27年の賃金構造基本統計調査によると、所定内賃金は、男性が33.5万円、女性が過去最高の24.2万円で、どちらも前年から1.7%増加。男女の賃金格差は72.2で、過去最小を記録した前年と同水準。非正規社員の賃金も男女計で2.4%増加し、正社員との格差は0.9ポイント縮小し63.9%となり過去最小を記録した。パート時給は男性1,133円、女性1,032円でいずれも過去最高に。
厚生労働広報
「勤労青少年福祉法等の一部を改正する法律等の施行について」・通達
「勤労青少年福祉法等の一部を改正する法律等の施行について」(青少年の雇用の促進等に関する法律)――新たな「若者雇用促進法」の円滑な施行に向けて、厚生労働省職業安定局長・能力開発局長名で各都道府県労働局長宛てに通達した。国、地方公共団体、事業主等の関係者の責務の明確化、適職選択のための取組み促進(新たな中小企業認定制度〈ユースエール制度〉の創設)等は2015年10月1日に施行済み。2016年3月1日から施行されるのは、新卒募集企業への幅広い職場情報提供の努力義務化、応募者からの求めに応じ3類型ごとに1つ以上の情報提供の義務化、職業安定法の特例(ハローワークは、一定の労働関係法令違反の求人者からの受理を行わない)。4月1日に施行されるのは、キャリアコンサルタントの登録制の創設、対人サービス分野の技能検定制度の整備などである。
Regular Site
労働法超入門(派遣のキャリアアップ)
ろうけい掲示板(厚生労働省)
ちょっと一服~心と体の休憩室(ルーティンで集中)
労働委員会レポート(日幸製菓事件)
送検事例(爆発防止措置を講じず死亡災害を発生)
判例解説(アールエス興業事件)