労経ファイル 2014年9月1日 第608号

巻頭資料

厚生労働省「多様な正社員有識者懇談会報告書」

厚生労働省の「多様な正社員の普及・拡大のための有識者懇談会」(座長:今野浩一郎学習院大学経済学部経営学科教授)の報告書は、勤務地・職務・勤務時間を限定する働き方を、有能な人材の確保や定着に資すると評価しつつ、労基法や労契法で限定条件の明示や確認を義務付けることを促している。使用者の恣意的活用をセーブするため「雇用管理上の留意事項」も示し、事業所閉鎖などの場合の解雇でも整理解雇法理が適用されるとし、労使間で見解に明らかな差があることから、制度の導入・設計に当たっては双方の十分なコミュニケーションが必要とも言及している。

 行政資料

厚生労働省「平成26年度地域別最低賃金額改定の目安」

平成25年度の地域別最低賃金額改定の目安は、東京や大阪のAランクは19円、京都、兵庫などBランクは15円、北海道、福岡などCランクは14円、青森や沖縄などDランクは13円に。目安小委員会では労使の見解が対立し、公益委員見解を中央最低賃金審議会の答申としたもので、厚労省の試算では全国加重平均で昨年より2円増の16円のアップとなる。懸案の生活保護との逆転現象は北海道、宮城など5都道県で生じているが、それぞれ目安額で改定されると解消することになる。使用者側は景況感に改善がみられるまでには至っていない中小企業・小規模事業者の活力を削ぐと反対したが、政府がめざす「好循環を生み出す経済運営」の方針に押し切られた形だ。

調査資料

厚労省・経団連「2014年 春季賃上げ妥結状況」

2014年の春季賃上げ妥結状況が発表された。厚労省の民間主要企業対象の集計では平均妥結額6,711円で、前年の結果を1,233円上回った。交渉前の平均賃金に対する賃上げ率は2.19%で、2001年以来の2%台となった。また、日本経団連の大手企業対象の最終集計では、平均妥結額7,370円、率で2.28%だった。また連合集計結果は5,928円、2.07%である。

厚生労働広報

 過労死等防止対策推進法

平成26年通常国会(第186回)で成立した「過労死等防止対策推進法」が平成26年6月27日に公布された。「過労死等」とは「業務における過重な負荷による脳血管疾患若しくは心臓疾患を原因とする死亡若しくは業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡又はこれらの脳血管疾患若しくは心臓疾患若しくは精神障害」と定義し、国は「過労死等の防止のための対策を効果的に推進する責務を有する」とし、また事業主に対しても「国及び地方公共団体が実施する過労死等の防止のための対策に協力するよう努めなければならない」と規定した。防止対策大綱の策定、過労死遺族代表者を含めた対策推進協議会の設置などを盛り込んでいる。施行期日は公布の日から6月を超えない範囲で政令で定める日である。

雇用保険基本手当日額等変更告示

毎月勤労統計調査による「毎月決まって支給する給与の平均額」が平成24年度比で25年度は約0.2%低下(260,997円→260,403円)したため、雇用保険の基本手当日額などを調整する3通の告示。基本手当日額の最低額は8円の引下げ(1,848円→1,840円)、年齢別に定める最高額は、60~65歳未満14円減(6,723円→6,709円)、45~60歳未満25円減(7,830円→7,805円)、30~45歳未満と30歳未満がともに15円減(7,115円→7,100円、6,405円→6,390円)となる。高年齢雇用継続給付の支給限度額も341,542円から781円マイナスの340,761円に引下げられる。8月1日から適用されている。

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労経ファイル 第608号 (2014年09月01日号)

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