【努力義務化!70歳までの就業確保 新しい高齢者雇用】第6回 最先端を行く日本の高齢社会 取組みに世界が注目 長寿化と少子化が並行/藤村 博之

2021.02.11 【労働新聞】
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チャレンジングな課題に

 日本社会の高齢化率(全人口に占める65歳以上の割合)は30%近くなり、世界で最も高い水準になっている。人口構成の高齢化は、日本だけの問題ではない。ヨーロッパの国々はもとよりアジアの国々も高齢化していく。

 内閣府の『令和2年版高齢社会白書』で示されたグラフによると、2015年における日本の高齢化率は26.6%で、2060年における推計値は40%近くに上る。2015年には20%前後だったドイツやスウェーデンといったヨーロッパ諸国も、2060年には25~30%程度になることが予測されており、2015年に14.6%だったアメリカは25%近くまで上昇するとみられている。アジアの国々においても、2015年の高齢化率は韓国12.9%、タイ10.6%、中国9.3%、シンガポール9.0%、インド5.6%、インドネシア5.4%などと1割台以下に留まっているが、2060年には中国で40%超、シンガポールで35%超に達するなど、各国で高齢化の進展が見込まれている。

 このように、社会の中で高齢者の割合が増えていくことは、時期の早い遅いはあるにせよ、人類全体の問題だといっても過言ではない。

 高齢化問題において、日本は世界の先頭を走っている。世界の最先端を行くとは、お手本がないため、自分たちで道を切り開いていかなければならないことを意味する。たいへんな道のりである。しかし、見方を変えれば、これほどチャレンジングでおもしろい課題はないともいえる。もし、この分野で日本が画期的な手法を開発すれば、それは一つの世界標準になり、他国に対して売っていけるビジネスモデルになるということもできる。

進展の速さが大きな特徴

 日本の高齢化の特徴は、そのスピードの速さにある。前出の『令和2年版高齢社会白書』によると、…

筆者:法政大学大学院 イノベーション・ マネジメント研究科 教授 藤村 博之

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令和3年2月15日第3293号6面 掲載

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