本誌好評連載「これで解決！　シゴトとココロの問題」の書籍化に当たり、法政大学の廣川進教授（臨床心理士、公認心理師）と産業医で㈱ＯＨコンシェルジュ代表取締役の東川麻子さんが行った対談を一部紹介する。従業員のメンタルヘルスでコロナ禍明けに特に気を付けるべきこととは――。

廣川　進（以下、廣川）　さて、ここ数年はコロナが話題になることが多かったですが、職場で従来と変わってきたことはありますか。

東川　麻子（以下、東川）　リモートワークが増え、明らかにコミュニケーションの方法は変わってきたと思います。まず、コミュニケーションの方法が変わったという環境の変化に慣れない人がいて、そして、コミュニケーション自体がうまくできるかという２つの大きな問題があります。

　最初の１年ほどは、環境の変化に慣れない人も時間とともに慣れていき、３年以上が経ったなかで、その状態はかなり脱してきたので、次はコミュニケーションの方法の変化や、コミュニケーションの頻度の変化が課題だと思います。

廣川　コロナ禍前から関係ができている人たちがZoom会議やリモートワークに移るのとは異なり、…