【特集1】“動く安全教室”で危険感受性養う 建設現場の労災減少へ全国行脚 機械に巻き込まれる怖さ感じる/鹿島建設
鹿島建設㈱は、建設現場で働く技術者・技能者の教育を目的として、移動式安全体感訓練施設の運用を開始した。現場作業で使用するグラインダーやローラー、電気関連機器などによる労働災害の発生メカニズムと作業時の注意点、安全装置の仕組みを学ぶ。スケールダウンされた機械であっても巻き込む力は相当に強く、実際の作業ではケガの危険性があることを印象付けて、危険感受性を養う。今年度からは、全国の現場を巡回して労働災害防止に向けた教育を積極的に展開していく。
労災減少の一方で意識鈍化が課題に
重篤災害をはじめとした建設業の労働災害は、工事現場の安全設備の進歩や過去の災害事例を教訓としたルールの徹底などにより、30年前と比較して約7割減少した。一方で、工事に従事する人が労災に遭遇する機会が減るにつれて、「危険」がどんな場所に潜んでいるかを察知する能力の低下が、安全教育の新たな課題となっている。
昨年度から新たにスタートした「Kajima Safety Caravan」(カジマセーフティキャラバン)」は、場所の制約を受けずに現場で体感教育を行うために開発された移動式の安全体感訓練施設。全長9.37mの中型トラックをベースにした訓練専用車両には、建設現場で起こりやすい労働災害に関連した9種類の実習装置を搭載している。車両荷台のウイング扉を展開すると約10m四方のスペースが確保され、工事現場でも本格的な安全体感訓練が可能となる。
危険を感じ取る「危険感受性」を高めるには、…
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