【社労士による労使紛争“交渉・解決”】第8回 円滑な団交に向けて(上) 労使の信頼関係が必要 労務倒産した苦い事例も/大槻 哲也
2019.08.22
【労働新聞】
社長納得させ紛争回避へ
労使交渉の場は、相争う労使の闘争の場となることもあれば、市場において笑顔で商取引を行うようなものとすることもできる。後者とするためには、労使双方の信頼関係が不可欠である。そして、団体交渉を円滑に進めるための心がけが肝要である。
その心がけとして、①不利益取扱いは禁止されている、②交渉は拒まない、引き延ばさない、③交渉の準備を整える、④可能な場合は、事前折衝を試みる――が挙げられる。
第一の不利益取扱い禁止とは、働く人たちが労働組合を結成したことやユニオン労組へ加入したことに対し、経営者などが誹謗中傷したり、退職強要や解雇、降格、配転したり、賃金などに格差を付けたりすることは許されないということである。…
筆者:全国社会保険労務士会連合会 名誉会長 大槻 哲也
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令和元年8月26日第3222号11面 掲載