【社労士による労使紛争“交渉・解決”】第2回 「人生100年」という未来 労使間の摩擦が噴出へ 雇用形態多様化も要因/大槻 哲也
2019.07.04
【労働新聞】
誰もが労働に悩んでいる
仲間数人と居酒屋へ行ったとき、隣席の中年女性会社員と意気投合した。通りすがりにみかけた常性寺というお寺の掲示板に「人生は長い、短いより、方向性を決めることが大切である」と書かれていたことに触れたのをきっかけに、人生と働き方改革を話題としたからだった。彼女から「残業を減らされて給料も少なくなった。これって、誰のための改革?」と激しく責め立てられる場面もあったが、ほぼ2時間、見ず知らずの人と議論をしたのは久し振りだった。それでも彼女は、「働き方改革で人生を変えてみる」と酔った勢いもあって宣言した。なぜか良いことをしたような気分になり、楽しくも嬉しくもあった。
「人生100年」の時代を迎え、心新たに“夢のある将来展望”を期待して働く人たちは多い。
かつて「人生50年」といわれた時代は、まさに“働くために生きている時代”だった。衣食住が中心の生活で、子どもを4~5人育て上げるためにも、ただひたすら働かなければならなかった。時間的ゆとりはなく、人間の生き方も社会のあり方も労働中心だった。次の「人生80年」といわれた時代は、人生の約3割を自由時間として、労働と余暇をいかに充実させて過ごすかが課題だった。ところが、現実は“働き過ぎの働き方を繰り返す人生”だったといえる。…
筆者:全国社会保険労務士会連合会 最高顧問 大槻 哲也
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令和元年7月8日第3216号11面 掲載