【いただきまぁす】銀白の輝き、秋いりこ/中山 美鈴

2012.10.01 【労働新聞】
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絵・有賀 敏彦

 色白で細身の体にブルーの眼をもつ、その姿の美しいこと。瀬戸内の浮島産いりこを初めて見たときは感動しました。「銀付き」と呼ばれる最高級は、その名の通りにみごとな銀白色に輝いています。水温が低くなって脂が乗る前の9月の今が秋いりこの漁期。新物の上物を手に入れるには絶好の季節です。いりこは水揚げしてすぐに煮干しにするため、鮮度が命。大きさは5~6センチほどが味よく、への字になっているのが新鮮さの証です。

 「煮干し」にはカタクチイワシ、ムロアジ、キビナゴ、トビウオなどがありますが、西日本でいう「いりこ」はカタクチイワシのことで、「煮干し」は総称。…

筆者:食文化研究家 中山 美鈴

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平成24年10月1日第2891号7面 掲載
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