【本バンザイ!!】読書人口の減少憂う昨今/鷲尾 賢也

2013.02.11 【労働新聞】
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

毎月違う職人が登場。(岩崎美術社「西洋職人づくし」より)。

 報道によれば、韓国の電子大手サムスンの利益は2兆円を超えたそうである。売上げではない。利益だという。私は、腰を抜かさんばかり驚いた。

 なぜ、そんな話を持ちだしたかといえば、出版業界の総売上げが、どうも1兆8000億円を割り込みそうだということを聞いたばかりであったからだ。こちらは書籍と雑誌をあわせた売上げである。書籍よりも雑誌の落ち込みが激しいが、それにしても、まあ、なんと情けないことか。

 新入社員の私は、「週刊現代」編集部に配属された。当時、80万部発行といわれるほどよく売れていた。月曜日には、「週刊現代」(講談社)か「週刊ポスト」(小学館)を手にしたサラリーマンがたくさんいた。いまどうだろうか。車内で週刊誌そのものを読んでいる姿を見かけなくなった。女性誌でも、「女性自身」(光文社)は100万部前後売れていたはずである。

 いまや、男性週刊誌にその栄光の姿はない。少年コミック誌も似たようなことがある。「週刊少年ジャンプ」(集英社)の最盛期は600万部を刊行していた。「週刊少年マガジン」(講談社)、「週刊少年サンデー」(小学館)も400万部前後。おそらく、現在、その半分以下ではないか。

 これでは、出版業界に景気のいい話題がないのは当たり前である。

この連載を見る:
平成25年2月11日第2908号7面 掲載

あわせて読みたい

ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。