【人事学望見】第1298回 労働協約の不利益変更 規範的効力は個々の組合員にも

2021.07.21 【労働新聞】
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 労働組合は組合員の労働条件の維持・改善を目的とするが、労働条件を不利益に変更することになる労働協約であっても締結は可能である。ただし限界があり、原則可能であっても、手続き面で適正さを欠いていたり、内容面で合理性を欠いている場合には適用されない。

一事だけで否定できない

 組合員の労働条件を不利益変更する労働協約の規範的効力が争われたのは、朝日火災海上保険(石堂・本訴)事件(最一小判平9・3・27)である。

事件のあらまし

 損害保険事業者YはZ社鉄道保険部の保険業務を従業員ごと引き継いだ昭和40年以降、Aを含む元Z社従業員とY固有の従業員の労働条件を統一するため、組合との聞で交渉を続けた結果、同47年までに定年の扱い(Z社従業員は63歳、それ以外の従業員は55歳)を除きほぼ統一した。

 しかしYは、同52年に多額の赤字を計上し経営再建を余儀なくされたことから、その一環として定年年齢を統一し、退職金算定方式を一元化する意図で組合と交渉した結果、同58年に定年を満57歳にすることで合意、労働協約を締結した。同61年8月に満57歳となったAは、当該労働協約は労働条件を不利益に改定するもので無効として従前の63歳までの労働契約上の地位確認と従前の算定方式による退職金支払いを求めて提訴した。

判決の要旨

 一審(神戸地裁)、控訴審(大阪高裁)ともに、…

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令和3年8月2日第3315号12面 掲載

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