【人事学望見】第1070回 リストラと追い出し部屋 違法で労働契約上の義務を否定
2016.09.26
【労働新聞】
もう4~5年前のことになろうか。実に陰湿な人事戦略が横行した。会社に行っても仕事がない「社内失業者」を集めて、退職勧奨ではなく自己都合退職を狙った「追い出し部屋」の設置が一流企業間に広まり、厚生労働省が「退職強要の有無」を緊急調査する騒ぎになった。
業務制限し配転活動強制
事例として採り上げるのは申し訳ないが、ベネッセコーポレーション事件(平24・8・29東京地立川支判)は、追い出し部屋を違法と判断した画期的なものとして話題を集めた。
会社から人財部業務支援センターへの配転命令を受け、従ったA子はその業務内容に戸惑ってしまった。名刺も持たされず、仕事は「社内就職活動」とされ、他の業務命令は一切ないに等しい状態だったからだ。
A子は人財部付けとされたショックとプライベートでのトラブルが重なり、09年6~9月の間休職した。同年11月にコンタクトセンター運営部に異動された。…
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平成28年9月26日第3082号12面 掲載