【実務に活かす!労働判例のていねいな読み方】第9回 「射程距離」から読み取る(2)/藤川 久昭

2013.09.02 【労働新聞】

後で判明することも 労働時間概念法理を例に

 前回に引き続き、今回も「判例・裁判例から射程距離を読み取る」という作業を行う。

1 ルールから読む(2)

 まず、長期休暇の事案に関する時事通信社事件最高裁判決(最三小判平成4年6月23日、民集46巻4号306頁)を紹介する。本判決は、長期年休における使用者の時季変更権の行使に当たって、使用者が「休暇が事業運営にどのような支障をもたらすか…休暇の時期、期間に…どの程度の修正、変更を行うか」の判断について、「使用者にある程度の裁量的判断の余地を認めざるを得ない」というルールを示した。

 同判決が出されるまでは、時季変更権の要件である「事業の正常な運営を妨げるか否か」は「客観的」に判断されるという考え方が、判例・通説だったと評価されてきた。…

筆者:青山学院大学法学部 教授 ㈱DeNA 監査役 弁護士 藤川 久昭

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掲載 : 労働新聞 平成25年9月2日第2935号11面

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