【人事学望見】第1312回 時季変更権行使の限界 代わりがいないは理由にならず
2021.11.11
【労働新聞】
「働き方改革」により、年次有給休暇の5日間の付与(時季指定)が義務付けられた。背景として、年休の取得率が5割前後で低迷を続けている点が挙げられる。年休の取得率が上がらない原因は、原則として「本人の請求」が前提となっているからだ。
申し出ても「ムダ」と諦め
学説・判例では、6カ月継続勤務・8割出勤という条件を満たせば、本人の請求を待たずに年休権が成立すると説く。そのうえで、労働者が具体的な時季を指定し、使用者が適法な時季変更権を行使しなければ、年休が成立するという考え方(2分説)を採っている。
しかし、近年の立法では、「本人の請求」でなく、「労使の協定」「使用者の指定」により、年休を与えるという仕組みを整備している。前者が「年休の計画的付与」、後者が「使用者による年休の5日間の付与」だ。つまり、「本人の請求」だけを待っていたのでは、なかなか年休の完全消化は難しいということだろう。
それでは、なぜ「本人が請求しない」のかだが、…
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令和3年11月15日第3329号12面 掲載