【特別寄稿】事故多い回転切削工具/藤田 英男

2019.11.26 【安全スタッフ】
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

「キックバック」は事故への第一歩

 回転切削工具といっても各種ありますが、なかでも①ディスクグラインダー、②丸ノコ、③チェーンソーが代表的な工具です。これらは実に便利ですが、一歩間違うと大きな事故につながるので侮ってはいけません。その「一歩」とは実は、「キックバック」なのです。

 キックバックとはよく聞く言葉でしょうが、死亡につながる大きな事故になることがあります。キックバックの原因はさまざまですが、一番多いのは、「異種の材料部分」を安易に削ったり切ったりした場合です。この部分は慎重な作業が必要です。

胸より上は大変危険

 鉄板を磨く作業があります。材料全体は鉄ですが、一部分にリベットが数カ所打ってありました。鉄の部分はすんなりと磨けたのですが、そのままの速度で進んだところ、銅(または真鍮)製のリベット部分でキックバックが生じました。理由は硬度の違う部分に進んだとき、砥石が深く入ってしまい、「ポンと跳ね返った」のです。

 一瞬顔をよけたのですが首に当たりました。頸動脈切創すれば、死につながる大変な事故です。ということは、自分の胸より上の作業位置でグラインダーを使ってしまったようです。回転切削工具は胸より上で使うと、顔、首など大変危険なことが多いので、「胸上使用禁止」といわれる所以でしょう。作業対象位置が胸より上の場合、自分の作業床を上げて万一飛んできても首に当たらない位置関係にしたほうがいいのです。面倒かもしれませんが、胸より下になる足場を確保することです。

 でも、作業現場は多種多様で、特に天井に近い作業位置ではこのようにできない場合もあるのです。それはそれで仕方がないのですが、必ず次のことを自分に言い聞かせて下さい。…

執筆:RST糸魚川(職長、特別教育専門事務所)代表 藤田 英男

この記事の全文は、安全スタッフの定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら

安全スタッフ電子版へログイン

安全スタッフ電子版は安全スタッフ購読者専用のサービスです。

詳しくは労働新聞・安全スタッフ電子版のご案内をご覧ください。

この連載を見る:
2019年12月1日第2343号 掲載

あわせて読みたい

ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。