【裁判例が語る安全衛生最新事情】第325回 貨物運送会社広島営業所事件 荷積みで腰痛に安全配慮義務違反認めず 鹿児島地裁平成30年1月23日判決

2019.07.26 【安全スタッフ】
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Ⅰ 事件の概要

 被告Y社は、自動車貨物運送を業とする会社であり、鹿児島に本社があるが、広島市にも営業所がある。原告Xは、トラック運転手として働いていたが、平成26年5月に広島営業所に応援を命じられ、平成26年6月19日から広島営業所で業務を開始した。

 広島営業所での作業は、営業所に隣接するY社の飲料工場内の製品積込み場において、コンベアで流れてくる飲料パック入りのケース(重量約15kg)をコンベアの終点部に置いたパレットに5段重ねに積み上げる作業であった。Xは、平成26年6月19日から同月21日までの3日間作業をしたが、22日から27日までは欠勤し、その後鹿児島まで戻って欠勤を続けた。欠勤の理由は、外傷性頸椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症の急性増悪、神経障害性疼痛などの発症ということであり、その後、休職した。Y社は、休職開始後、5カ月で回復が見られなかったことから同年11月30日付で退職扱いを行った。

 Xは、平成26年10月31日に症状固定とされたが、労働基準監督署長に休業補償給付などの請求をし、平成27年3月、労基署長はXの負傷は業務上であるとして支給決定をした。

 さらにXは、後遺症が残っているとして、障害補償の請求をし、労基署長は、Xに残っている障害は、外傷性椎間板ヘルニアに起因する頸部痛、背部痛、両前腕から手部のしびれなどの神経障害(障害等級14級の9)、および外傷性腰椎椎間板ヘルニアに起因する腰痛、右下肢の疼痛としびれなどの神経障害(14級の9)で併合して準用14級と認定した。

 Xは、本作業により休業を余儀なくされ、…

執筆:弁護士 外井 浩志

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2019年8月1日第2335号 掲載

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