【人事学望見】第1125回 内部告発と誠実勤務義務 不正糾す行為なら会社の利益に

2017.11.28 【労働新聞】

真実性、正当性あってこそ!

 労働者は、労働契約上誠実勤務および企業の信用・名誉を毀損しない義務を負っているので、内部告発はこの義務に違反し、企業秩序を侵害する行為になり得る。相当性があるか否かは①告発内容の真実性②目的の正当性③手段・方法の妥当性について吟味される。

懲戒解雇は重すぎて不当

 一審で懲戒解雇が認められたものの、控訴審で逆転判決が下されたのは宮崎信用金庫事件(福岡高宮崎支判平14・7・2)である。

 事件のあらまし

 信用金庫に勤務するAらは、労組の指導的立場にあり、会社のXに対する不正融資疑惑について、周囲から事情を聴取するなど解明の活動を行った。ホストコンピュータにアクセスし、信用情報を印刷して事実関係の確認・資料の収集を行うなどきわどい活動に進んでいった。

 役員の背任行為の調査等を要求するとともに、Aら作成者の調査が行われた場合、資料を公にする旨の匿名の批判文書を総務部長に郵送した。さらに不正疑惑資料を衆議院議員の公設秘書(Xの弟)および宮崎県警に提出している。

 会社は、これらに対し就業規則に定める懲戒解雇事由である「職場内外の窃盗」に当たり、…

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掲載 : 労働新聞 平成29年11月27日第3138号12面

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