【人事学望見】第971回 適法な所持品検査を知ろう 労働者の人権や尊厳を重くみる

2014.08.18 【労働新聞】

職権だけでは妥当性欠く

 判例は、所持品検査について①検査を必要とする合理的理由の存在②検査の方法が一般的に妥当な方法と程度で行われること③制度として職場従業員に対し画一的に実施されるものであること④明示の根拠に基づくものであること――の要件を設定している。

「疑わしい」相当性を否定

 「このように所持品検査が厳しい要件を課されるのは、それが私人による犯罪捜査の機能を持ち得るものとして、労働者の人権や尊厳を侵害する恐れが大きいからである」(菅野和夫「労働法」)。

 ベネッセでは、データベースの保守・管理を委託していた子会社から、さらに外部会社に再委託した結果、当該会社で働くシステムエンジニアが、金銭に困ってこれをダウンロードし、名簿会社に売り渡したため、2300万件の顧客情報が流失し、大騒動となっている。

 このような大規模な実害が発生するのは、保存されたデータベースという電算化における弱点ともいわれているが、一般の会社では、企業情報そのものではなく現金を扱うバス乗務員や工場従業員による金銭・製品窃盗に関連して所持品検査を行うケースが間々みられる。ところが、判例をみるとこれがひと筋縄ではいかない。ただ「疑わしい」だけでは、相当性が否定される結果を招くことになるからだ。…

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掲載 : 労働新聞 平成26年8月18日第2981号12面

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