【社員がなじむ組織へ オンボーディング実践術】第3回 新卒入社者が直面する課題 厳しさ期待する人も ぬるい環境で「肩透かし」/尾形 真実哉

2023.01.26 【労働新聞】
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

期待裏切られ早期離職へ

 今回はオンボーディングの対象のうち、新卒入社者が組織になじむうえでの課題について論じたい。

 新卒入社者が直面する最初の課題が「リアリティ・ショック」である。「リアリティ・ショック」とは、個人が入社前に抱いていた期待や理想と入社後の現実が異なっていた場合に生じる心理的ギャップのことで、言い換えれば理想と現実のミスマッチである。このショックが新卒入社者の会社への愛着を低下させたり、上司への不信感を募らせたりすることで、早期離職を引き起こす。

 リアリティ・ショックを乗り越えることができない、乗り越えさせることができない理由として考えられるのは、個人と会社の理解不足である。リアリティ・ショックは単なる「理想と現実のギャップ」という単純な構造のものではなく、多様な顔を持つ複雑な心理現象だ。企業は自社の新卒入社者が、どのようなリアリティ・ショックに遭遇しているのかを正確に把握し、それに適したオンボーディング施策を実施することが必要だ。ここからは、「リアリティ・ショックはどのようなときに、どのような仕組みで起こるのか、」、「新卒入社者は何に対してショックを受けるのか」といった、その多様な「構造」と「対象」を紹介する。

 リアリティ・ショックには、入社前の心理状態と組織現実の内容の組合せによって異なる3つの構造が見出されている。

 1つ目が、…

筆者:甲南大学 経営学部 教授 尾形 真実哉

この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら

労働新聞電子版へログイン

労働新聞電子版は労働新聞購読者専用のサービスです。

詳しくは労働新聞・安全スタッフ電子版のご案内をご覧ください。

令和5年1月30日第3386号11面 掲載

あわせて読みたい

ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。