【人事学望見】第1331回 労働協約の一般的拘束力 合意がなくても労働条件変更に

2022.04.14 【労働新聞】
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黒も白に染まる……

 労働契約は労使の合意に基づき締結・変更されるのが原則だ。誰か別の人が合意したからといって契約内容が変わることはない。しかし、法律は例外的に合意によらない変更を認めている。今回は例外の1つである、労働協約の一般的拘束力(拡張適用)を取り上げたい。

非組合員も適用の範囲内

 労働契約法3条は「労働契約は、労働者及び使用者が対等の立場における合意に基づいて締結し、又は変更すべきものとする」と、労働契約の合意原則を定めている。しかし、例外的に合意がなくても変更が認められるケースが存在する。それが労働協約の一般的拘束力(労働組合法17・18条)と就業規則の不利益変更法理(労契法9・10条)だ。

 労働協約の一般的拘束力には事業場内の一般的拘束力と地域的の一般的拘束力の2種類がある。事業場内の一般的拘束力は、企業が4分の3以上を組織する労働組合と労働条件に関する労働協約を締結したとき、労働協約は組合員以外にも拡張して適用となる。

 労働協約の一般的拘束力による労働条件変更は労働者に不利な場合についても原則として許容される(朝日火災海上保険〈石堂・本訴〉事件、最判平9・3・27)。就業規則の不利益変更法理と違って、直接不利益の程度や変更の必要性、内容の相当性を問われることもないため、労組のある企業では広く活用されている。しかし、労組に加入していない労働者からすれば、自分のあずかり知らないところで勝手に労働条件を不利益に変更されたと感じても無理はないだろう。不利益変更が未組織労働者にまで及ぶかが最高裁まで争われたのが「朝日火災海上保険(高田)事件」(最判平8・3・26)だ。

 XはY社と雇用契約を締結していた。昭和52年、経営が悪化したY社は4分の3以上を組織する労組と労働協約を締結し、定年年齢の引下げと退職金減額を実施した。Xは労働協約により、組合員の範囲から除外されていた。最高裁はまず…

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令和4年4月18日第3349号12面 掲載

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