【ぶれい考】子育てのように商品製作/加納 ひろみ

2022.01.27 【労働新聞】
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 私が現在代表を勤める弊社は、2012年に法人化し、今年でようやく10年目に入る。スタートは、夫が始めた造形美術製作会社だった。夫は美術家で、宮崎県オペラ協会の舞台美術や衣装を担当していた時期もある。美術をビジネスにしたいという夫の夢が少しずつ形になっていくなかで、着ぐるみも私たちの商品の一つになった。

 最近では着ぐるみって何?と聞かれることはなくなったが、実は「着ぐるみ」という言葉は比較的新しい。私たちが最初に製作にかかわった30年ほど前までは、その言葉自体存在していなかった。

 当時着ぐるみは、テレビの子供向けの番組や映画で使われるものか、スーパーマーケットなどの特売日にみかける少し痩せ気味の動物のものくらいだった。では当時は何と呼ばれていたのかというと、「全身被り物」、「人体用縫いぐるみ」など、言葉というより説明に近いものだった。

 2000年代に入ると、ゆるキャラブームが起きた。彦根のひこにゃんや奈良のせんとくんに続き、2011年には熊本でくまモンが誕生する。着ぐるみを使った地域おこしに火が着き、わが町のスターを生み出そうと多くのキャラクターが誕生していった。

 それまでは単なる道具だった着ぐるみが、この頃から人格を持ち、人間と同じように命のあるものとして扱われるようになった。今や、日本独特のサブカルチャーとして日常に根付いている。私たちも、着ぐるみを単なる商品として扱うのではなく、一つの命を生み出す気持ちで製作している。これはとても自然な形で、製作現場に生まれた感情だった。まるで出産、子育てをするようにキャラクターを生み出す。子沢山のお母さんたちの集団、それが弊社である。

 弊社は…

筆者:KIGURUMI.BIZ㈱ 代表取締役 加納 ひろみ

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令和4年1月31日第3338号5面 掲載

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