【産業カウンセリングの現場から】第33回 多様化する「うつ」

2012.10.01 【安全スタッフ】
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土日になると遊びへ

 従来のうつ病の多くは「メランコリー親和型のうつ」といわれ、責任感が強く仕事熱心で几帳面で完璧主義の人、周囲に気をつかい、自責的傾向の強い人がなりやすいといわれていました。最近、目立っているのは、それに当てはまらないタイプです。たとえば、自責よりはむしろ、他罰的で回避、退却傾向がある。少し難しい課題が与えられると、がんばって克服しようとするよりは、逃げてすませようとする。失敗を自分のせいでなく誰かのせいにしようとする。もともとあまり仕事熱心でない、極度に自分だけを大事にし、他者のことは考慮に入らない(自己愛的傾向が強い)などのタイプ。それでも症状として、不眠や不安定な気分や落ち込み、思考力、集中力の低下、倦怠感など身体の不調などの症状がある「うつ状態」であれば「うつ病」の診断がつきやすいのです。うつ病患者の数が急増している要因のひとつには、うつ病の多様化とでもいうべき現象が考えられます。

 このように「うつ」が多様化してくると、診断書で「うつ病」と診断されていても「抑うつ状態」という症状を説明されているにすぎないこともあります。企業はうつ病という診断書を見て従来のメランコリー型なのか否かを考慮する必要もでてきました。例をあげます。前述のとおりメランコリー型うつ病とは対照的な症状を現わすのが、非定型うつ病。両者を比べてみると、…

執筆:大正大学人間学部臨床心理学科 教授 廣川 進

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平成24年10月1日第2171号 掲載

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