『元漫才師の交友録』の連載記事

2020.08.06 【労働新聞】
【元漫才師の交友録】第52回 土橋享② 「5年早い!」を勘違い/角田 龍平 NEW

 東映京都撮影所門前の喫茶店ミドリヤで待つ岳父土橋亨の前に颯爽と現れたのは、『コミック雑誌なんかいらない!』で1986年度キネマ旬報主演男優賞を受賞したばかりの内田裕也さんだった。黒革の帽子、レイバンのサングラス、黒鞣し革のロングコート。コートの下には黒のシャツ、ズボンはやはり黒の鞣し革。シェケナ・ベイベーな出で立ちとは裏腹に、「よろしく……[続きを読む]

2020.07.23 【労働新聞】
【元漫才師の交友録】第51回 土橋享① 安岡力也から突然の架電/角田 龍平

 「昨日のラジオで間違えて、市川右太衛門さんのことを『北白川の御大』っていっちゃったよ。本当は『北大路の御大』なのに」。数日前の朝、2階の寝室から3歳の娘をだっこしながら階段を下りて、リビングの引き戸を開けると、同居している義父にそういわれた。  東映京都撮影所で映画監督をしていた岳父の土橋亨が前夜にゲスト出演したラジオは、KBS京都『角……[続きを読む]

2020.07.16 【労働新聞】
【元漫才師の交友録】第50回 サカイのオジサン② 自らの感染恐れ遺書も…/角田 龍平

 30年来の友人であるMが内科医として勤務する病院へ、新型コロナ専用病棟を作るよう大阪府から指示があったのは、緊急事態宣言が発令された4月7日のことだった。寝耳に水の出来事に、勤務中泣いている看護師もいた。レッドゾーンとグリーンゾーンを分けるゾーニングについても、テレビをみながら「そうやってやるんや」と模索する手探りの状態だった。医師です……[続きを読む]

2020.07.09 【労働新聞】
【元漫才師の交友録】第49回 サカイのオジサン① 新型コロナ最前線で奮闘/角田 龍平

 数年前、中高時代の恩師から「鉾建てが終わらないうちに梅雨が明けました」という時候の挨拶で始まる暑中見舞いが送られてきた。厄災をもたらす厄神を鎮めるべく34基の山と鉾が京都の中心部を練り歩く祇園祭の山鉾巡行が今年は行われない。そればかりか、山鉾建ても自粛を余儀なくされた。もはや季節のない街と化した京都を囲む山に火を灯す五山の送り火はかろう……[続きを読む]

2020.07.02 【労働新聞】
【元漫才師の交友録】第48回 マサ斎藤 30年越しの海賊男征伐/角田 龍平

 まさかアクリル板に隔たれた生活が日常の風景になるとは誰にも予見できなかった10年前の夏。アクリル板越しの依頼者は、長引く拘置所暮らしに疲弊していた。雑居房に戻りたくない彼と長時間接見をしていると、お互い学生の頃に何度も同じ会場でプロレスを観戦していたことが分かった。「拘置所にいる間に、あなたの『監獄固め』を開発しましょう」というと、彼の……[続きを読む]

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