【もう恐れない!テレワーク実務】第1回 新型コロナが急拡大 実態に合わせ対応へ 車通勤地域は低い実施率/村田 瑞枝
選択肢ないまま導入
2017年、政府は、2020年の東京オリンピック開催当日の混雑を避けるため、開会式の日に当たる7月24日を、「テレワーク・デイ」と名付けてテレワークを推奨した。2019年には、大会前の本番テストとして7月22日~9月6日の約1カ月間を「テレワーク・デイズ2019」とし、テレワークの一斉実施を呼びかけた。2887団体(約68万人)がこの取組みに参加している。
新型コロナウイルス感染症の影響で2020年の東京オリンピックは残念ながら延期されたが、“感染を防ぐ”という観点から、在宅勤務の導入が進んだ。混雑した通勤電車はもちろん、学校や職場での感染拡大を避けるため、選択肢がないまま進められたのは記憶に新しい出来事だ。
危機感が高まった3月後半から、緊急事態宣言下の4、5月においては、「東京オリンピックに向け準備をしていたので、大きな混乱なく実施できた」という企業は稀だった。多くはこれほど急に、全員が在宅勤務をする事態を想定していなかったことから、作業環境の整備が追い付かない、機器は揃えたがスムーズに作業ができないといった状況がみられた。
また、日本テレワーク協会には、そもそもテレワークに積極的に取り組んでこなかった企業の方々から「何から手をつけて良いか分からない」「テレワークとはどうやってやるのか」「テレワークができる業務が無いがどうすれば良いのか」「テレワークに関する助成金はどうすればもらえるのか」といったご質問をいただいた。
通勤の密対策に需要
コロナ禍以前においては、平均して…
筆者:一般社団法人 日本テレワーク協会 事務局長 村田 瑞枝
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