【人事学望見】第1235回 労使慣行と法的効力 長期間多数回の反復継続が要件

2020.03.26 【労働新聞】
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食後30分の昼寝タイム…やめるか

 長年続いてきた取扱いが、その反復・継続によって労働契約の内容になっている場合には法的効力が認められる。判例では、民法92条を根拠に長期間にわたって反復更新され、労使双方が異議を唱えなかったなどの条件の下、事実たる慣習として法的効力を認めている。

労使双方で異議ない場合

 労使慣行の効力をめぐって争われた商大八戸ノ里ドライビングスクール事件(最一小判平7・3・9)は、代表的な判例と位置付けられている。

 事件のあらまし

 Y社には、2つの労組があった。Y社は、昭和47年、訴外労組と「特定休日が祭日と重なった場合には特定休日の振替は行わない」などの47確認書を取り交わした。その後、同52年、A労組とも同様の趣旨・内容で52確認書を取り交わしたが、実際の運用は両確認書とは異なる実態が認められた。

 具体的には、特定日が重なったとき、翌火曜日に出勤した限りで、特定日に出勤したものとして休出手当が支給されたという取扱慣行があった(第1類型)。また、就業規則では休憩時間を除く所定内労働時間に対して能率手当が支給されることになっていたが、運用では、夏季・年末年始の休暇で就労しなかった者に対しても能率手当は支給されていた。…

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令和2年4月6日第3251号12面 掲載
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