発注者主導の活動で災害が半減

　前回に続き、労働災害のさらなる減少に向け、過去を学び、今後の現場の安全活動の取組みの方向について考えていきます。

　今回は、公共工事発注者主導の事故防止の取組み事例を紹介するとともに、死傷災害が完全に下げ止まった平成21年以降の話です。

◎東京都水道局の組織的な取組み

　発注者の例を挙げると、東京都水道局は、平成24年度から水道工事事故防止アクションプランを策定し、それに基づき安全活動を推進しています。発注者による組織的な取組みです。これにより、建設業全体の死傷災害が…

執筆：労働安全衛生総合研究所 安全研究領域特任研究員　高木 元也