【一歩進んだトラブル予防法】第10回 「定額残業代」について 最低限金額明示を 全従業員の同意がカギ/野口 大

2015.03.16 【労働新聞】

請求が増えているサービス残業代

 最近、退職した従業員等が、サービス残業があったといって、残業代の支払いを求めてくるケースが激増しています。このサービス残業には2種類あります。

 1つは本当に会社が悪質なケースです。残業代なんて払っていたら経営が成り立たないという理由で、意図的に残業代を払わずに残業させているケースです。これは会社が悪いです。残業代を払わされても仕方ありません。

 もう1つは会社が気の毒なケースです。会社は満額の残業代を払っているつもりですが、制度や規定に不備があり、法律を杓子定規に当てはめると、結果的にサービス残業になってしまうというケースです。

 例えば、会社としては、従業員が遅くまで残業している実態を考慮して毎月相当な金額の「特別手当」を支給していたという場合が考えられます。会社としては、特別手当は残業代の趣旨で支払っているわけです。しかし、その特別手当が残業代に相当するということは、賃金規定にも契約書にも何も書いていなかったとすれば、法律的にはその特別手当は残業代ではないということとなります(この点は後述します)。従業員からサービス残業代の請求があれば、法律的には「一銭も残業代を払っていない悪質な会社」ということとなり、多額の残業代の支払いを余儀なくされるのです。…

筆者:野口&パートナーズ法律事務所 弁護士 野口 大

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掲載 : 労働新聞 平成27年3月16日第3009号11面

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