【多様な働き方を支える 限定契約の実務】第3回 職種限定が争点の裁判例① 契約書は当面の業務 例外と認め得る記載必要/安倍 嘉一

2024.04.18 【労働新聞】
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嘱託社員が合意主張

 これまで解説してきたとおり、わが国の正社員については、使用者の広い人事権を前提とした無限定契約が多く、職種限定や勤務地限定が明確に合意されるケースは少なかった。しかし、明示的な限定契約が締結されていない場合でも、特定の職務、特定の勤務地での勤務を継続している場合に、労働者の側から限定契約が締結されていたと主張されるケースがあり、他の業務や勤務地への配転命令の際に裁判で争われてきた。そこで、今回からは、こうした限定契約の成立が争点となった裁判例を解説していく。今回は職種限定契約が認められなかったKSAインターナショナル事件(京都地判平30・2・28)を取り上げたい。

(1)事案の概要

 原告(労働者)は、定年退職後嘱託職員として再雇用され、経営管理本部A監査室長を務めていた。原告と被告(会社)の間では、定年後再雇用時、室長に在籍している間、毎月5万円を補填するとの特約を締結していた。

 なお、被告の就業規則には、配転命令の根拠規定がある。

 また、原告と被告は、本件配転命令前の平成26年11月2日付で、27年3月から1年間の嘱託雇用契約書を作成したが、…

筆者:森・濱田松本法律事務所 弁護士 安倍 嘉一

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令和6年4月22日第3446号6面 掲載

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