【~悩める管理職たちへ~パワハラに当たらない叱り方】(上)アンガーマネジメントとは 怒りを招く「○○べき」 自身の価値観把握して/安藤 俊介
躊躇する方が良くない
アンガーマネジメントと聞くとどのようなイメージを持つだろうか。恐らく、あなたが真っ先に思い浮かべるであろう「怒らなくなる方法」は間違いである。それはアンガーマネジメントではないし、「幸運なことに」そのような方法はこの世の中に存在しない。
あえて「幸運なことに」とかぎかっこで括った理由は、怒ることが必要だからだ。人は怒ることで大切なものを守ったり、間違いや不満を正したりできる。だから人は怒れなければいけないのだ。
アンガーマネジメントで上手に叱ると聞けば、「あぁ怒らないで叱る方法のレクチャーでも始まるのか」とか、「怒らないで叱るなんてそもそもそれは叱ることにはならないのではないか」と思われるだろう。だが、本連載を通じ「怒ってはいけない」などと言うことは間違いなくない。むしろ「怒った方が良い」とは書くが、「怒るのを待とう」、「怒ることは良くないことだから自制しよう」などと書くつもりはない。
叱るからには怒りの感情を持っているのが自然なことだ。だから安心して欲しい。あなたが怒っていることは間違っていない。
怒ってはいるものの、「パワハラと指摘されてしまうかもしれない」と恐れたり、「面倒なことはしたくない」と叱ることを躊躇っているのであれば、そのことこそが間違いだ。
アンガーマネジメントは、1970年代にアメリカで生まれた怒りの感情と上手に付き合うための心理トレーニングである。当初は軽犯罪者に向けた矯正教育プログラムとしての側面が強かったが、時代の変遷とともに…
筆者:一般社団法人日本アンガーマネジメント協会 代表理事 安藤 俊介
この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら