【トラブル回避型 解雇、退職勧奨の手法】第14回 懲戒解雇 処分理由は追加できず 証拠集めて準備念入りに/延増 拓郎

2022.04.14 【労働新聞】
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本人の弁解機会設ける

 懲戒解雇は、企業秩序違反行為に対する制裁罰としての解雇で、懲戒処分のうち最も重い極刑である。懲戒解雇は、即時解雇(労働基準法20条1項)として処分される場合も多いが、両者は常に一致するものでない。即時解雇には同項の「労働者の責めに帰すべき事由」(昭23・11・11基発1637号、昭31・3・1基発111号)が必要である。

 使用者は、固有の権限として懲戒権を保有する(関西電力事件=最判昭58・9・8)。ただし、その権限を行使するためには、あらかじめ就業規則において懲戒の種別および事由を定め、労働者に周知する必要がある(フジ興産事件=最判平15・10・10)。

 懲戒権行使は、「具体的事情のもとで客観的に合理的理由を欠き、社会通念上相当として是認できない場合」は権利の濫用として無効となる(ダイハツ工業事件=最判昭58・9・16、労働契約法15条)。

 懲戒解雇は、再就職を困難にするほど重大な不利益を伴うため、有効性がとくに厳しく判断される。懲戒解雇事由該当性の判断時には限定解釈され、相当性も厳しくチェックされる。懲戒解雇の選択は慎重を期すべきだ。

 裁判例は、…

筆者:石嵜・山中総合法律事務所 代表弁護士 延増 拓郎

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令和4年4月18日第3349号11面 掲載

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